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名詩の鑑賞(訂正あり)

図書館に行ってきました。

教科書で出会った名詩100 新潮文庫 より

いいなと思った詩をここに写してみます。

(訂正 ばさばさ→ぱさぱさ)


自分の感受性くらい  茨木のり子


ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


いばらぎ・のりこ
(1926~2006)
大阪生れ。川崎洋と「櫂」を創刊。
飢餓や空襲の恐怖を乗り越えた、戦後女性の夢と希望を、明るく歯切れよくうたった。代表作に『自分の感受性くらい』など。

『自分の感受性くらい』(1977年・花神社刊)

🍃「わずかに光る尊厳の放棄」という言葉が印象に残りました。🍃

💐読んで頂いて、どうも有難うございました。m(__)m 💐💐


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