春休みが暇すぎて資格を取った話。

この記事を何の縁かご覧になっている皆様、こんにちは。
私はcalmという者です。こうやって誰かに情報を発信するのも初めてになります。文章が拙くなってしまうのをご了承ください。

はじめに

ところで、大学生って暇すぎませんか?
私はとある理系の大学に通っています。学期中はもちろん出される課題やら、レポートやらに忙殺される日が続き、いつ終わるのだと嘆くことがあります。

しかし、休み期間中となればどうでしょうか。1~2ヶ月のまとまった休みは、小学生の時は取りたくてたまりませんでしたが、いざ休みが来ると何をしていいか分からないということがあります。
寝て起きて、寝て起きての毎日。1週間ぐらいは楽しい毎日ですが、徐々に「こんなことしていていいのか」という思考に陥ってしまいます。

そこで私がおすすめしたいのは、「何か目標を決めて、それについて頑張る」ということです。それは部活でもいいし、料理でもいいし、自動車免許取るでもいいし、基本何でもいいのです。

今回、私がそれに基づいて行ったのは資格を取ることです。

危険物取扱者を取ろう!

さて、本題に入りましょう。私はこの春休み期間を使って、危険物取扱者乙種4類を取得しました。いかにも理系大学生といった感じですね。

理系大学生なら危険物取扱者というワードを、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。私も高校時代の時に化学の先生から教えてもらい、「なんかよく分からないけど、名前かっけぇー!」と思った記憶があります。しかし内容はよく分からんぜといった方が多いと思います。ユーキャンTACのサイトを見れば載っているのですが、ここでは簡単に説明してしまいましょう。


危険物取扱者とは

消防法に基づく危険物の取扱いやその立ち合いに必要な資格のことです。
化学を履修した人なら分かると思うのですが、化学物質の中には自然発火したり、ガソリンのようにすぐ引火したりと、明らかに危険なものがあります。それを扱う人はちゃんと免許を持った人にしましょうというのが本資格になります。

どういった場面で役立つのかと言われれば、よく例として挙がるのがガソリンスタンドの話です。ガソリンスタンドは無資格でも働くことは可能ですが、危険物取扱者の免許を持っていると時給が上がります。私は働いていないためよくわかりませんが、まあ持っていて有益なのは確かでしょう。

資格の階級も存在しています。甲種・乙種(1類~6類)・丙種という3つに分類されます。しかし甲種は受験資格が存在していて、誰もが受験できる訳ではありません。私は受験資格が無かったため乙種、特にメジャーな4類を受けました。


危険物諦めがちなポイント

ここまで語ったことは、他のサイトを閲覧した方がより詳しいことが載っていますし、そっちを見た方が有益でしょう。

ここからは諦めがちなポイントについてお話します。
「え、諦めるポイントなんてあるんですか?」と思った方がいるかもしれないですが、あります。学生というのは楽して生きたいので、数字に惑わされて受験しないという人をよく見かけます。その人たちの後押しをしようと思ったのが、本記事の目的の一つでもあります。

まずは一つ目。
一つ目は合格率の低さにあります。危険物取扱者の試験運営をしている消防試験研究センターの発表によれば、乙種4類の合格率は令和3年度で36.0%令和4年度で31.5%となっております。ここでふと頭によぎるのが「なんか難しそうじゃない?」「これ受かるのかな?」などといったネガティブな思考です。落ち着いてください。

これにはマジックがあります。まず受験者層です。
今まで私たちが受けてきた高校受験や大学受験と違って、危険物取扱者試験にはさまざまな人が受けにきます。その中の工業高校生は合否関係なく、一律で受けさせられるところもあるようです。
受験者全体に言えることですが、やる気なく仕方なく受けている層も存在しているんだというのを知っていてほしいです。それが合格率を下げている要因ですから。
ちゃんと勉強をすれば、合格できる試験だと思っていただいて結構です。

解決したところで、二つ目にいきましょう。
二つ目は試験範囲が多いことにあります。危険物取扱者は「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の3分野があります(都合上、これからは法令・物化・消火と略します)。
それぞれの分野で6割以上取らなければいけないため、どれか1分野を完璧にという作戦は通用しないのです。

ただこれを見ている理系大学生、特に高校時代に物理・化学を履修していたそこの諸君は喜んでください。ここにきて役に立ちます。生物・化学勢ももちろん喜んでください。1教科でもかなり有利です。
という訳で、1分野はあまり勉強しなくてもよいのですね。まあ物化には、燃焼理論が出てくるのでそこは詰めないといけませんが。
ちなみに物化どっちも未履修の生物単騎の方でも、物化に出てくる知識は中学生レベルのものもあるため、理科好きなら頑張れると思います。

法令と消火に関しては、頑張ってくださいとしか言いようがありません。しかし、じっくりやれば自然と頭に入ります。
今回の記事の内容は休み期間中に資格を取るということなので、じっくりやる時間は十分あるでしょう。

諦めがちなポイント、どうでしたでしょうか。受験を終えて振り返ってみると、どちらも諦める理由にはならないかなと思うのですが、私も実際1つ目で受験を諦めた時期がありました。数字って怖いですね。


勉強時間

受験する気になったでしょうか。なった方はこの先も付き合っていただけると幸いです。ここからは勉強時間の話をしましょう。

まずは勉強時間から。私は2月23日の東京会場で試験を受けました。勉強を本格的に始めたのは1月25日頃と記憶しているので、約1ヶ月間は試験勉強に割いていることになります。しかし、アルバイトや用事等で勉強出来ない日も多くあり、実際はもっと少ないと思います。

ではどのくらい勉強すればいいのか。SATのサイトによると「一般的には40~60時間、約1ヶ月~3ヶ月ほど」とあります。1ヶ月~3ヶ月のくだりは気にしなくていいでしょう。大事なのは時間です。実際はもっと短期間で受かれるかもしれませんが、このぐらいなんだと思えばスケジューリングがしやすいと思います。
私は「50時間を1日5時間やれば、10日で終わるじゃん!」と高を括っていましたが、思ったより集中力が持続しなくてビックリ!となりました。皆さんは気を付けましょう。

余談になりますが、各分野についての個人的な感想をまとめます。

法令:結構な時間を取られる。覚えるのが大変。
物化:燃焼理論以外はスムーズにいく。
消火:法令ほど難しくないし量も多くないが、引火点や発火点を覚えるのが大変。

あくまで個人的な感想なのであしからず。


参考書は何を選ぶ?

参考書は何を買った方が良いかと気になる人もいるのではないでしょうか。これについては人によって合う参考書は違うので、
これ買ったらやる気が出る!というものを選べば良いと思います。

私はインプット用とアウトプット用に2冊、もう一つインプット用にインターネットを使っていました。インプット用の本は図書館で借りてきました。経費削減というやつです。


公論出版オンラインショップのHPより


題名:乙種4類 危険物取扱者試験 令和5年版
出版社:公論出版
値段:1,800円

この参考書はインプット用に買いました。つまり知識詰込み用ということですね。
有象無象の危険物参考書業界の中で優劣をつけるのは難しいですが、個人的なメリットをデメリットについてお話します。

メリットは詳しく書いてあることでしょう。この本は危険物参考書業界の中でも結構、緻密に書いてある部類だと思います。そのため、知識に抜けが無い状態で試験に臨むことが出来ます。もう一つは各項目に問題があり、それでアウトプットも出来てしまうという点です。インプットした知識を基に問題を解くことで、知識の定着を促進させることが出来ます。

デメリットもあります。それは詳しすぎるが故に本が分厚いということです。なので「10日で受かる!云々~」みたいなものよりも、やる気が失せる瞬間が多いでしょう。もう一つは図が少ないという点です。公論出版さんは詳しく書こうとしているのと共にページ数を減らそうと努力しているのだと思います。そのため文章が多く、図があまり無い場面の方が多いため、頭の中で想像しにくい時があると思います。


HPのスクリーンショット

題名:図解でわかる危険物取扱者講座

これもインプット用に使ったサイトです。かなり完成度が高く、このサイトだけで受験に臨むことも出来ます。
先ほど紹介した参考書とは違って書いてある知識は少ないですが、図が分かりやすいため参考書が何を言っているのか分からない時に参照していました。つまり参考書メインでサイトがサブといった感じですね。


ナツメ社HPより

題名:乙種第4類危険物取扱者<本試験そっくり! >問題集
出版社:ナツメ社
監修:丸島浩史
値段:605円

これはアウトプット用に買った問題集です。本屋を散策していたら売っていたため買いました。大学受験をした人向けに言うと、河合塾の共通テスト総合問題集みたいなやつです。
この問題集は全8回あり、試験の直前(1週間前)ぐらいから行うことが想定されています。そのため、勉強をし始めた時に手を出すものではありません。
内容をネタバレしない程度に語ると、回を追うごとに問題が難しくなっていく印象です。当日の試験と見比べてみると、この問題集の4回目ぐらいの難易度でした。そのため後半部分は、点数を気にするというよりは自分の忘れている問題のあら捜しをするといった目的が強いでしょう。
資格試験あるあるの重箱の隅ツンツン問題もあるため、理不尽も体感出来ます。いい問題集ですね。

少しばかり長くなってしまいました。参考書の結論から申しますと、自分の好きなものを買ってください。


勉強方法

これも参考書と同じように人それぞれで良いと思うのですが、読むだけでは頭に入ってこないなと思いました。最初は書いてノートにまとめていたのですが、私が使っていた参考書は分厚く、法令だけでもかなりの時間を要しました。そのため、途中から書く勉強スタイルを止めて、音読をし始めました。急遽やったことなのですが、これが意外と効果があって試験勉強の役に立ちました。読むだけでは入ってこなかった内容が、声に発することによって視覚と聴覚を使い、頭に入ってきやすいのだと思いました。

しかし、音読のデメリットもあります。それは忘れやすいことです。書いたことは割と何日でも覚えているのですが、音読は数日もすれば忘れてしまいます。音読→アウトプット→音読→アウトプットといったようにすれば、忘れやすい状態を回避できると思います。

これはあくまで一例です。見ただけで覚えられる人がいるように、人によって得意不得意な勉強法があります。自分がこれなら合格できると思った勉強法で試験に臨んでください。


受験するために把握すること

試験日

ここからは試験日についてお話しましょう。
少し前に私は東京会場で試験を受けたと書きました。
東京というのは危険物取扱者の取得天国なのです。何故か。東京会場なら 1ヶ月に試験が最大4回行われています。英検やTOEICのように年に何回というレベルではありません。毎週あります。これは凄いというのが、私が最初に見た感想でした。
しかし、これは危険物取扱者乙種4類に限った話で、甲種・乙種(4類以外)・丙種は東京でも1ヶ月に1回程度です。乙種4類がいかにメジャーなのかが伝わってきます。

そのため、甲種の受験資格が無い方はまず乙種4類から受けてみましょう。


試験時間

試験時間も気になる方がいるのではないでしょうか。私が受けた時には試験会場に9:40集合、10:00に試験開始でした。乙種4類だとこの時間が多いようです。試験時間はなんと2時間、とても長いですね。
しかし、この試験は覚えている知識をいかに吐き出すかなので、ちゃんと勉強した人なら20~30分で終わります。私はゆっくり解いて40分ぐらいでした。そこから見直しをして+30分といった感じでしょうか。

試験は約35分後から途中退出が可能なので、見直しも終わって一片の悔いなし!という人は退出しましょう。
私は試験開始から1時間10分で退出しました。


受験票

受験票は、郵送申請した場合は約1週間前までに自宅に届きます。電子申請をした場合は約10日前消防試験研究センターの公式HPからダウンロードが出来ます。受験票に関しては、その手軽さから後者で申請する方が多いでしょう。受験票には写真が必要なため、あらかじめ撮って、用意しておくといいでしょう。サイズは縦4.5cm×横3.5cmで、大学受験の受験票写真やアルバイトの履歴書写真よりも少し大きいです。マイナンバーカードを申請した方は、その申請と同様のサイズだと思っていただければよいです。


試験会場に行こう

東京の試験会場は笹塚の中央試験センターで行われます。最寄り駅は京王新宿線の笹塚駅で、駅からも徒歩8分でさほど遠くないため、行きやすい試験会場と言えるでしょう。しかし、集合時間を過ぎると試験を受けさせてもらえないこともあるので、時間に余裕を持って到着するようにしましょう。
同じ時間に笹塚でわざわざ降りる人たちは大体が受験者のため、その人たちについていくのも一つの手ですね。


合格後の話

合格したら……

試験を受けてから約2週間後に合格発表があります。ちょうど国立2次の合格発表日に重なっていて、個人的にはドキドキしていました。

合格した!という方。おめでとうございます!努力が実りましたね!

しかし、合格して勝手に免状が届くという訳ではありません。まず試験を受けた日に貰った封筒を用意してください。オレンジ色なので、分かりやすいと思います。それは免状交付の申請用の封筒です。その中に「免状交付申請と受領の方法」というプリントが入っていると思うので、それに沿って免状申請の準備をしましょう。申請は郵便以外にも窓口でも申請が出来ます。中央試験センターの近くに住んでいる方は窓口に行った方が、郵送よりも安く済むかもしれません。

また、合格速報は公式HPから見ることが出来ますが、免状申請には郵送で届く「試験結果通知書・免状交付申請書」が必要なので、それが届くのを気長に待ちましょう。私は合格速報から3日経った時に届きました。
免状交付申請書が届いたら必要事項を記入して、領収証書原本、免状送付用封筒(茶封筒)、持っている方は既得免状をオレンジ色の封筒に入れて、郵便局で簡易書留で送りましょう。
ちなみに私の免状が届くのは4月10日以降だそうです。先は長いね。


合計金額について

さあ、完走した感想を話す前に現実的な話をしましょう。試験を受けるまでにかかった金額についてです。笹塚までの往復の運賃はどこに住んでいるかバレてしまうので言いません。ちなみに郵便等切手代は免状送付用封筒が404円、申請用封筒が440円でした。

試験料     4,830円 (乙種)
参考書代    605円
証明写真代   200円
免状交付手数料 2,900円
郵便等切手代  844円 
合計      9,379円

合計でこのぐらいかかります。東京の最低賃金は1,072円(令和4年10月1日から)なので、労働9時間分でしょうか。他にも参考書を買うなら+1,500円交通費を合わせるともっと高くなるでしょう。自動車免許を取った方なら分かるかもしれませんが、免状交付にもお金が要ります。私は受ける前は知らなかったので、皆さんは知っておくといいでしょう。 

以上のように試験を受ける以上、お金はどうしてもかかってしまうため、このぐらいかかることを覚えておきましょう。しかし一度免状を取ってしまえば返納しない限り、生涯使えるものなので取っておいて損はないかもしれません。

おわりに

完走した感想ですが、私は春休みの1ヶ月間、試験勉強とアルバイトに時間を割いたおかげで、どうにか虚無にならずQOLを上げることが出来ました。危険物取扱者も前から取りたかった資格だったので、この暇な期間を使って取得出来て良かったと思っています。

理系大学生といえども所詮は大学生なので、学期中は忙殺される日々を過ごしますが、休みに入ってしまえば毎日が何もない虚無に到達します。
皆さんも休み期間中に危険物取扱者、取得してみませんか?

また、学生以外でご覧になっている皆様。この記事は学生の休み期間をどうするかを主題にしているので、皆さんに沿って話をすることが出来ず申し訳ありません。ですが、中身は受験希望者に向けて書いているため、参考にしやすいかと思います。少しでも皆さんの理解の一部になれることを祈っております。

それでは皆さん、良い資格ライフをお過ごしください。

calm

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