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Vol.69#挑め!Leading Article/ベジタリアンに飼われる猫

今日のテーマは”ベジタリアンと猫”です。

🔹🔸このコラムでは毎朝その日のLeading Articleから解釈の決め手となる語句を3つ選んで解説していきます。定着させて英語を読む事がどんどん”楽”にしていきましょう🔹🔸

動物を殺して食べる事を良しとしない菜食主義の考え方は私たちの日常生活の中で一定の市民権を得たように思われます。スーパーの棚には動物性の材料を排除した製品がならび、飛行機の機内食にも選択肢が準備されています。ただし、こうした考え方は選択されるべきもので人に押し付ける事はさけるべきです。では、飼い猫の場合はどうでしょうか。飼い主が菜食主義であったとしても生来猫は肉食です。猫に菜食主義を押し付けるのは果たして正しいのか。そんなジレンマが解消する製品として、数ヶ月以内に人工培養した肉を使ったペットフードが発売されるそうです。猫はふだんの振る舞いから意識の高い方ではないようです。餌の中身が変わったことなど敢えて言う必要はないでしょう。

最後には少し苦しいジョークも登場します。読み進めていきましょう。


◎今日のLeading Article:Feline good

Good news for mice. Lab-grown meat is expected to go on sale in the UK within months — and it’s in pet food for cats.

The product — ostensibly chicken, grown in vats from egg cells — will be aimed at vegetarian cat-lovers, who face a tricky dilemma. They may believe eating animals is cruel or environmentally damaging, but do they have the right to make that call for their naturally carnivorous companions? The food offers a solution.

There is one riddle that remains unsolved. Science has so far been unable to tell us what, if anything, is going on in the mind of a cat. How do the inscrutable Tibbles and Ginger feel about global warming and rodent rights?

We may never know for sure, but any owner who has watched them curl up by the radiator after a back-garden bloodbath can hazard a guess. Cats, we suspect, are not woke. Veggie owners should simply keep quiet about the food’s origins. That way, there’s no bad felines.

□解釈のポイント■■■

①ostensibly/見た所

見せるというラテン語から派生して、一見するとそう見えるが疑わしいという意味になります。Ostensible purposeと言えば建前の他に隠れた本音の目的があるという事になりますね。

製品は精巧に鶏肉を模して培養されていて、見た所は鶏肉なわけですね。猫も騙されて食べるので菜食主義者の飼い主は自分の信条にも可愛い猫の本性にも妥協しなくて良いというわけです。

②hazard a guess/当てずっぽうをする

hazardは動詞で使う時、生命や財産を危険にさらすという意味になります。ここでは自分の推測を危険にさらしているわけですが、あんまり根拠がなくて外れる可能性大きいという意味合いですね。

猫が何を考えているか、ねずみがそれをどう思っているかを知る方法は今の科学では準備がないという事ですね。

③ woke /意識の高い人

人種差別やLGBTのことをきちんと理解し受け入れている”目覚めた”人という意味だった言葉でネガティブな意味は含まれていません。過激な人たちの間ではそういう人たちの揶揄する言葉として使われてしまっているようですが。

裏庭でいっぱいねずみを殺してご機嫌で丸まっている猫をみれば、おそらく意識の高い方ではない事が推測できます。

■試訳

ねずみ達に朗報だ。数ヶ月以内に英国で人工培養による肉が発売され、猫用のペットフードに使用される。その製品は見た目は鶏肉だが、卵のからに由来し培養器の中で育てられたものだ。狙いは菜食主義者で猫を飼っている人たちだ。彼らは難しいジレンマを抱えている。動物を食べるのは残酷で環境に対して有害だと考えているものの、果たして生来肉食の伴侶達に対しその考えを押し付ける権限があるのだろうか。この食べ物が解決策をもたらす。問題が1つ解決されないまま残ることになる。現時点で科学は我々に猫の頭の中で、そしてねずみの頭の中で何が起きているかを解明していない。側からは何を考えているかわからない猫達は地球温暖化やねずみの権利についてどう感じているのだろうか。解明されていないのは間違いない。しかし、猫の飼い主ならば裏庭で大量殺戮を終えてラジエーターの側で丸まっているのを見る事があると思う。その姿を見ればおよそ当たりはつくだろう。猫はおそらく意識が高い方ではない。菜食主義の飼い主達は餌の由来については何も言わぬべきだろう。そうすればニャンともない。

◇一言コメント:

タイトルに使われているfelineはネコ科のという意味の言葉です。no bad feeling(気分を害する事はない)のfeelingとかけた言葉遊びとなっています。訳の方も言葉遊びしています。ちょっと苦しいか。ニャンとかなっていると良いですが。

菜食主義については過去一度取り上げています。


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