Vol.30#挑め!Leading Article/ヴィーガニズムの終わり
その日のLeading Articleから解釈の決め手となった語彙を記録していきます。身につけば読む事がどんどん”楽”になります。
veganismは菜食主義の事ですが、肉を食べないvegetarianよりも過激で乳製品、卵、はちみつなども口にしない考え方です。健康意識の高まりから支持が広がり、それに応えるように植物由来の食品が小売店の棚を席巻しました。ところが昨今の事情は変わりつつあるという内容の記事です。
食べる事に由来する言い回しが多用されています。そんな言葉遊びにも注目してみましょう。
◎今日のLeading Article:ヴィーガニズムの終わり
□解釈のポイント■■■
①put their money where their mouth was /言行一致
mouthは発言や言説を、moneyは実質的な行動を意味しており、言行一致を意味する表現です。しかし、引用部分でのmouthは食の嗜好の意味として使われています。言葉遊びですよね。
かつては健康志向から需要があった植物由来の代替食品ですが、なにせ高いし実は加工されまくっているので消費者がお金を出さなくなってきているんですね。不景気ですしね。
②cook one's goose/立ち行かなくなる、台無しにする
計画や自分の置かれている状況を台無しにする事をするという言い回しです。鴨が料理されて、あとは食べられるばかりという状況、つまり詰んでいるという事です。
”Goose is cooked!”(もうお終いだ!)などと使いますね。植物由来をうりにしていたお店が肉料理を出し始めるという時代の転換点です。
③ bite off more than one can chew/実力以上の事をする
食べ物を噛み切って(bite off)、然るのちに咀嚼する(chew)というながれなわけですが、咀嚼できる以上のものを口にしてしまう情けない情景です。そこから実力以上の背伸びをする事を指します。
ヴィーガニズムは一時の流行であり、確かな実態を伴う需要ではなかったのだと分析しているわけですね。
■試訳
レストランがヴィーガン(完全菜食主義)メニューを廃止する傾向
多くのスーパーマーケットで包装された植物性材料による肉の代替品の棚が延々と続くのを目にする。どうも今日の消費者はこのヴィーガン向代替品こそ切り分けてパンの販売以来の大革新と考えているように思えてくる。
しかしながら、市場のデータからは異なる事情が見て取れる。
ここ数年、菜食主義者向食品の需要は激減している。値段が高いのが好まれないのと過剰に加工された菜食主義者向代替え品が健康によくないとの懸念から、かつてはヴィーガニズムを試していた平均的な消費者が離れてしまっているのだ。
(中略)
ヴィーガニズムがもはや立ち行かなくなっている兆候として、かつて植物性の材料だけを使っていたレストランが市場の圧力に応じてメニューに肉を使うようになってきていることがあげられる。
(中略)
値段が高く、利便性がないばかりか、おもっていた程満足できないことからヴィーガニズムを嗜好する人は少数派に留まる。ヴィーガン食品の製造業者はあまりにも急速に拡大し、そして消滅した。実力が追いつかなかったのは明らかだ。
◇一言コメント:
タイトルのfadは一時的な流行を指し、それが終わりつつあるというということですね。今回は特に何にもかかってないと思います。ただ最初の音を合わせる頭韻というやつでしょうか。
本来の意味で使うにはちょっと無理あるような気がしますが、これでもかと食べることに関する表現が使われていましたね。
そして、なんだかんだで1ヶ月続きました。
☆2024年2月1日の出来事
・移民により見込まれる人口増。量より質。人口が30%へる見込の日本にも言及されています。こっちでも良かったかな。
・パキスタン元首相Imran Khanに懲役14年の判決。クリケット選手から政治家になって人ですね。
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