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なぜ大人は「勉強しろ」って言うの?【要約物語】
〜プロローグ〜
「はぁ、お母さんうるさいわぁ。」
少女の名前はアン。
中学2年生。
最近は親と喧嘩が絶えない。
「どこ行くの!?まだ話の途中よ!」
気持ちが落ち着かないとき、
アンは父が書斎に使っていた部屋に行く。
父は物心つく前から家にいない。
母に一度聞いてみたことがあった。
「何でアンにはパパがいないの?」
何と言っていいか分からぬ母の顔。
子どもながらに、
聞いてはいけないことが分かった。
それ以来、父のことは話題にしない。
しかし、父の書斎をアンは気に入っている。
ここにいると何だか懐かしい、
安心した気持ちになるからだ。
「勉強しなさい、だなんて、分かってる!
言われるだけ勉強しなくなるのが
分かんないかなぁ」
父の書斎で一人文句を言うアン。
そのとき。
父の書棚から一冊の本が光り輝き出した。
「え、何!?」
驚くアン。
恐る恐るまばゆく光る一冊の本をとりだした。
「『正しさってなんだろう』、、?」
表紙をめくると一枚のメモが挟まれていた。
「これってもしかして父さんの?」
父の存在を示すメモ。
突然光輝きだした本。
アンの人生の角度が一度変わりだす。
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14歳からの正義と格差の授業 佐藤優
結論から言います。
親があなたに「勉強しろ」というのは、
「親子関係が強すぎる」からです。
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では、なぜ親子関係が強くなるのか。
親子関係の原因をこの本から一緒に考えましょう。
この学びが終わった時、
あなたは親への不満以上に「自分の人生」にコミットして生きていけるでしょう。
過関係の要因【子どもの未熟性】
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人間の親子関係が強すぎる要因。それは、
「人間の自立が遅い」= 未熟性
が原因です。
人間は産まれたばかりでは二つの未熟性をもっています。
1 身体的未熟性
2 社会的未熟性
【①生理的早産による身体的未熟性】
人間は他の動物と違って、大変未熟な状態で生まれます。
大抵の動物は半年の場合もすれば自立します。
(例)
馬: 1〜2時間で歩く
3歳で一人前となる
しかし、人間の赤ちゃんは活動できないうちに誕生します。
誕生するまでの期間(妊娠期間)は10ヵ月程度。
ほかの哺乳類に比べて自立度が低いうちに生まれます。
このことを生理的早産と言います。
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なぜ未熟状態で産まれるのか。
それは
人間の赤ちゃんは成長しすぎると子宮口を出ることが難しいためです。
つまり、妊娠している母体を守るため。
十分に成長する前に胎内から出てくるのです。
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確かに、未熟であるが故に子に愛情を注ぎなら世話ができます。
しかし、世話を焼くのが「当たり前」となります。
だからこそ、勉強の介入も始まります。
生理的早産
↓
長い期間身体的世話をする
↓
勉強への世話焼き(介入)
身体的世話が勉強への介入にシフトするのです。
子は成長するにつれ、段々と親の世話焼きが鬱陶しくなります。
【②人間社会において理性的未熟性】
もう一つの意味での未熟性。
それは人間の社会性によるものです。
人間は生まれつきの動物的本能よりも、後から身に付けた知識や経験によって社会的に様々なことができるようになります。
動物的野性 < 人間的理性
社会的人間としての学業を終えるのに日本では15年もかかります。
それだけ勉強するのは、生きていくために複雑な社会環境があるからです。
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義務教育期間が長くなる
↓(すると)
長い間親に食べさせてもらう
↓(結果)
どうしても親との距離が近くなる。。。
長く一緒にいるから、親は子が心配でならない。
だから、つい
「勉強しろ!」「宿題やったの!?」
と口やかましく言ってしまいます。
親が恐れるラスボス【メリトクラシー】
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人間の子は身体性、社会性により「未熟にならざるを得ない」状況ということが分かりました。
未熟だから親は子どもが「社会」に出られるかを不安視します。
未熟な子
↓
「社会」に挑む!
↓
◎社会的自立 or △社会不適合
親が不安になるのはこの「社会」がラスボスとして君臨しているからです。
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成績によって入れる高校や大学が決まる、
仕事の実績に応じて出生が決まる、
この様な社会構造を「メリトクラシー能力主義」と言います。
、、、親が恐れるラスボスです。
「メリトクラシー」
もともと、生まれや身分によって地位が決定された前近代社会から個人の業績(メリット)によって地位が決定される近代社会への転換によって広がった原理。それは、生まれや身分によってではなく能力と業績によって社会的な地位が諸個人に配分されるという、近代的社会編成原理を指す概念として用いられてきた。
日本は昔はどの家に生まれたかによって職業が決まる身分社会でした。
それに比べれば、
努力する
↓
それだけ良い仕事、職業につける!
という能力主義社会は「まだマシ」です。
「分数のわり算なんて出来て意味があるの?」
「英語なんて使わなければ意味ないじゃん!」
親も勉強がそのまま社会で役立たないことは知っています。
しかし、
難しい学校に行きレベルの高い教育を受ける
↓
子供の将来の可能性が広がる
という事も知っています。
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高校より大学、更にレベルの高い学歴を築いた方が、将来自分のやりたい仕事につける可能性が高い。
「メリトクラシー社会」だからです。
自分が何になりたいのか決めるのは、まだ先でも良いことです。
だからこそ、
やりたい仕事が見つかるまでできるだけ「選択肢」を多くしてほしい。
これが過干渉の多くの親が抱く潜在的願望です。
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選択肢を多くするため社会において最も有利なものさしである「勉強」を強要します。
親はラスボスの存在を経験済みです。
子どもに「とりあえず」勉強しなさいと言い、
武器を身につけさせようとします。
ラスボスの変化【変わる評価基準】
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ところがこのラスボス「メリトクラシー」に今変化が起きています。
何を持って「人間の能力」を測ればいいか?
決まった答えが無くなっているのです。
一昔前は、
たくさん勉強
↓
名門大学
↓
エリート会社
↓
一生安泰
が最強の武器でした。
今は「名門」も「エリート」も評価ブランドの価値が弱まっています。
外の評価に大人たちも振り回されます。
(例)
日本の教育で大きな指標となる偏差値。
国際的な大学ランキングを見てみます。
日本で偏差値が高いとされる難関大学はほとんど圏外です。
日本の有名大学は上位100位で4つしか入っていません。
日本の大学でトップ100に入ったのは、東京大学(29位)、京都大学(46位)、大阪大学(80位)、東京工業大学(91位)の4校。
時代や価値観によって「学力」のものさしは変わります。
そしてそのものさしを決めるのは「外社会」です。
親も学校の先生も、誰かが決めた「外基準」ばかり気にしているから不安になるのです。
他律的=他人が決めた基準
他人軸に従っている限り、どこまで行っても不安は消えない。
自分で納得して決めたのではないからです。
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世の中には情報が溢れています。
誰もが納得するような能力の測定方法はありません。
こうした評価基準やランキングはどんど増えていきます。
情報がいっぱいありすぎて、どれが正しいかわからない。
親たちは溢れる情報を見比べながら頭を悩ませています。
つまり不安なのはお父さんお母さんも何が正解か分からないからなのです。
ラスボス攻略【賢者を見つけろ!】
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自分がした苦労を子供にはさせたくない。
我が子には幸せになってほしい。
そう願うのは自然な親心です。
しかし、その思いが強いほど子への介入も過干渉となってきます。
それを気づかせてくれるのが家族以外の存在「第三者」です。
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冒険の賢者となる存在。
キーパーソンをあなたは見つけなければいけません。
学校の先生
塾の先生
習い事の先生
親戚のおじさんおばさん
友達のお父さん、お母さん
そういう大人の目が入ってくると、親とは別の意見を聞くことができます。
親も第三者の意見を聞けば、確かにそうかもと考えを改めるきっかけになりやすいです。
親が過干渉してくるとき
☑︎まず今やっていることが本当に自分がやりたいことなのかそれとも親に言われて嫌々やっていることなのか、1度親子で話し合う。
↓納得できないのなら
☑︎別の大人に間に入ってもらう。
大切なのは第三者の目です。
話ができそうな大人を見つけて相談してみましょう。
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子と親はいずれ離れるときがときます。
だから親のことをちょっと離れてみる機会が必要です。
親も自分と同じ生き物だと割り切り、自分で解決策を探す姿勢は、社会に出た時も必ずあなたの生きる力となります。
不満を言っているかぎりあなたは未熟な立場のままです。
親と対等な視点にたち、背景を理解した上で親離れすることをお勧めします。
困ったらぜひ、この本を読んでみてください。
最後に一つ。
今の社会に納得がいかぬのなら、、
ぜひあなたが大人になりラスボスを倒し世界を変えてください。
私も今、ラスボス攻略のために学びの途中です。
一緒に、真に公平で納得できる世界を作りましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1709452536841-G9OKDkZRRT.png?width=1200)
〜エピローグ〜
「お母さんも不安だから言っている。。。
そんなこと今まで考えたこともなかった。」
何か現実が変わったわけではない。
母との喧嘩が減るわけではない。
しかし原因となる背景を知ることで、
アンはどこかスッキリとした気持ちになれた。
「第三者の大人か、、
明日おじいちゃんにでも相談してみようかな。
私も自分の価値でやりたいことを考えて、
お母さんを安心させないといけないかも。」
アンは要約だけでなく本文を読み始めた。
本には要約以外の様々な学びが溢れていた。
要約とは本との会話。
読者が本から出した答え。
読む人によって答えは無数に生まれる。
このメモは、父と本との語り合いの結果だ。
父を感じられることにアンは新鮮な気持ちを抱いたのだった。
【あとがき】
最後までご覧くださりありがとうございました。
本の要約を記事にしたのですが
「どうせなら少しだけ物語風にしてみよう!」
という急な思いつきで、色々と試してみました^_^
前書きが長くなるので、ストレートに要約だけ記事にした方が良かったかなぁ、、、と悩み中です。
よろしければ感想いただけるとありがたいです。
要約記事はどちらにせよ今後も書いていきたいと思います。
よろしくお願いします!
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