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現場を弁護!【スクールロイヤー】

教育に関する制度は少しずつ増えています。
しかしその制度を知っている現場の先生はどの程度いるのでしょうか。

日々の業務に時間と精神を削られ、それどころではない。
だからこそ制度が現場で活用されるよう
メディアが普及していかなければいけません。

前置きが長くなりました。
今日紹介するのは「スクールロイヤー」。
教育の弁護士です。


スクールロイヤーとは

専ら教育行政に関与する弁護士を「スクールロイヤー」といいます。

文部科学省の手引きでは
☑︎保護者対応などアドバイスを行う「助言・アドバイザリー業務」
☑︎学校や教委に代わって交渉を担う「代理人業務」
を例示しています。

スクールロイヤーへの法務相談案件の内容を具体的に見ると

・「保護者などからの過剰な苦情や不当な要求」 
・「いじめ」への対応
・「学校事故」
・「触法・非行・暴行などの問題行動」
・「教職員の不祥事」

などがあります。

ただし、スクールロイヤーは必ずしも「学校の味方」という訳ではありません。

例えば、学校がいじめを隠蔽(いんぺい)しようとしたら、スクールロイヤーはまず間違いなく「それは間違っています」と学校に指摘します。その一方で、子どもと保護者で意見が異なる場合、スクールロイヤーは子どもの側に立って判断します。つまり、スクールロイヤーは「子どものために学校に助言する弁護士」なのです。

教育新聞 【連載】学校と法律をつなぐ2022-04-22

あくまで中立的な存在として教育に貢献する職なのですね。

とはいえ、調査では以下の内容が明らかになりました。

都道府県、政令市、市町村のいずれでも「保護者などからの過剰な苦情や不当な要求」への対応が、7~9割台で最多となった。

保護者等からの過剰な苦情や不当な要求への対応に関する教育委員会における取組について

文科省も「学校だけでは解決が難しい事案については、教委などの行政の責任において対応することができる体制を構築する」といった考え方を示しています。  

つまり、保護者などの過剰な苦情に対し、法的観点から助言をしてくれるのです。

これは活用しなければ!
もちろん、なんでもかんでも頼ればよいというわけではありません。
しかし、学校と家庭との間に立つ第三者の存在は心強いです。

「保護者らが限度を超えた要求を繰り返したり、学校や教育委員会に危害を加えたりする場合には助言だけでなく、代理人として保護者と直接やりとりすることが適切だと考えられる」

教育新聞 速報 2024-04-02

法のもとに冷静に話しあうことは現代社会における大きな武器です。

現場に普及しない弁護士制度

スクールロイヤーのように教育の場で法律相談を担当する弁護士はここ数年で急増しています。
全国の教育委員会や学校法人で導入が進んでいます。

しかし、それでもまだまだ制度の活用には遠い、、、

「代理人業務」での活用は都道府県では2自治体  (5.2%)

教育新聞 速報 2024-04-02

たったの5%、、、

文科省も学校や教育委員会が助言を受けるだけではなく、難しい事案については「代理人として保護者らと直接交渉にあたってもらう」ことを都道府県・政令市教委に通知しています。

       ↑↑
(現場にこの情報はおりてきているのか!?)

「両方の業務に対応できる相談体制は、教師と保護者の間での信頼に基づく対等な関係の構築や、教師の負担軽減につながると考えている」

教育新聞 速報 2024-04-02

一方的な要求を当たり前にしてくる親。
子どもと親には挟まれ苦しむ教師。

教育はなんのために行われるのか。
親のためではありません。 

真に支援が必要なのは子どもです。

教員がエネルギーを教育に集中するためにもこの制度は普及するべきだと思います。

事件はおきてからでは遅い

とはいっても、
何かトラブルがあったときになって弁護士がでてくる、、、

確かに教員にとっては大きな安心材料です。
しかし、これではまるで裁判のようです。
それこそ学校と保護者の後の関係改善が難しくなるでしょう。

だからこそ大きなトラブルが起きる前から、スクールロイヤーは現場に必要なのです。

日本弁護士連合会はスクールロイヤーの特徴として以下のこと示しています。

①子どもの最善の利益の観点から継続的に学校に助言する
②トラブルが予想される  初期段階から関わる
③法律だけでなく、教育や福祉、子どもの権利などの視点を取り入れながら活動する

まだまだ現場で継続的な制度にはなっていません。
「子どものために学校に助言する弁護士」と言っても、現場に姿を見せるスクールロイヤーはほとんどいないのです。

トラブルが起きる前こそスクールロイヤーは活躍すべきです。

教育を現場の教員1人に押し付けないでほしい。
地域の力をもっと活用してほしい。

そのためにはもっと教育システムを活用しなければいけません。
noteのようなメディアの力を駆使して、
国全体で子どもを支えていける社会をつくっていきましょう。



【参考】


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