見出し画像

角松敏生 2005〜2023

私の大学時代の同じバンドサークルの同級生、角松敏生のキャリアを振り返っています。2005年から現在(2023年)までの軌跡をたどります。

・2005.10 映画「ミラクルバナナ」オリジナル・サウンドトラック
・2005.10 THE PAST&THEN (RE-make BEST)
・2006.07 Prayer
・2007.12 Players Presents Ballad Collection
・2008.11 TOSHIKI KADOMATSU 1 ※限定盤

名盤『Prayer』のリリース続いて、さぁ25周年記念ライブ開催だという直前の2006年6月に、角松サウンドの要石ベースの青木智仁が亡くなられます。あまりに直前だったために代役無しで本番に臨むこととなります。過去にHDに録音されていた青木さんの特徴のあるベース音が、演奏にシンクロして流れた瞬間、横浜アリーナに集まった1万人の観客が号泣したのは忘れられない出来事です。さらに翌年には、長年バンドでサポートしてきたギターの浅野祥之も亡くしてしまいます。相次ぐ盟友の死に遭遇した彼でしたが、そんな悲しみを振り払うかのように新境地を模索していきます。

・2009.03 NO TURNS
・2010.08 Citylights Dandy
・2012.03 REBIRTH1~re-make best ~
・2014.03 THE MOMENT
・2016.03 SEA BREEZE 2016
 (2016.11 ILLUMINANT REBIRTH “NIKOICHI” feat.MAY'S」サンリオピューロランドでのミュージカルをプロデュース)
・2017.05 SEA IS A LADY 2017
・2018.04 Breath From The Season 2018~Tribute to Tokyo Ensemble Lab
・2019.04 東京少年少女
・2020.05 EARPLAY~REBIRTH 2~
 (2020年4月~22年4月は感染症対策で内外のステージ活動が制限されます)
・2022.08 Inherit The Life
・2023.05 Inherit The Life II

悲しみを乗り越えて、もう振り返らないというような『NO TURN』と、大人の都会派指向『Citylights Dandy』の2枚をリリースしたものの、新たなチャレンジは長続きしません。個人的にはこの2作品の、いずれの方向性も好意的に受け止めていただけに、ちょっと勿体無いなぁと感じました。

その後はリメイク・ベストなど過去の振り返り作品を連発します。それぞれに意味があるとはいえ、あまりにも続きすぎです。さらにその後のピューロランドのミュージカル制作はともかくも、続く舞台制作発表については、正直どうなのかなって感じで今に至ります。詳しくは後のアルバム紹介の中で触れたいと思います。

この頃に仲間内でよく話しをしていたのは、時代の流れでいくらCDが売れないからとはいえ、ライブが多過ぎるのではないかということ。もちろん様々な事情は察しますが、レギュラーツアーが年に2本あるだけでも相当な労力だし、それ以外にもミニツアーやイベント的な企画ライブが何本もあり、もっと新曲の創作に時間を掛ければ良いのにと思うのです。

もちろんアルバム制作ともなれば、プリプロから本番の録音、さらにミキシングから下手すればマスタリングにまで本人が徹底的に関与しているようだし、ライブ映像の動画や音声の編集までも自分でやっているようだし、これは驚異的な作業量です。しかも子育てもしているんでしょ。

そんな中、全国のゴスペルクワイアと連携した『THE MOMENT』や、ダンススクールと提携した『東京少年少女』。さらにそれを大掛かりにしたプロジェクトのMILAD〜The Dance of Life〜への挑戦など、活動範囲を拡げ過ぎではないか感じました。やりたいことを思うがままに手をつけるのは、アーティストとしてはある意味正しい姿勢だとは思いますが・・・。

そしてこの舞台制作のモチーフを想起させたのは、なんと私達が大学生だった頃に仲間内でもよく聴いていたナラダ・マイケル・ウォルデン「The Dance of Life」。本人曰く「だって格好いいんだもの」だって。彼の心の中には、あの頃と同じ無垢な音楽愛は残っているということなのですかね。

しかし、この舞台への挑戦は結果として興行的には芳しくなかったようです。本人曰く「身の丈に合っていなかった」と。まぁ身の丈なんて、もともと誰か他人に計ってもらわないと分からないものだとは思いますけどね。

この舞台制作に集中していた時に、これを終えたら自身の活動も終えるなどとも言っていました。しかしその後のライブで、45周年はもちろんのこと、50周年も横浜アリーナでやるために活動を続けていくと、改めて決意表明していました。
実際にやってみたものの、自身の活動に決着をつけられなかったのでしょうね。

大学を卒業して以来、ずっとサラリーマン生活を送ってきた私とすれば、年齢的に既に定年退職して再就職の契約社員の身分。間もなく年金だって受給資格を得ようとしているのに、同級生の何という頑張りようでしょうか。彼が頑張っているうちは、自分もアマチュアでもバンドは続けるぞと思っていますが、趣味の活動とは訳が違いますしね。本当に感心してしまいます。

そんな私がこうして彼の音楽の遍歴を振り返っているのも、自分自身への決着をつける一つだと思っています。この半世紀にわたる「角松敏生」というアーティスト活動を、はたして彼自身はどのように締めくくろうとしているでしょうか。
彼が決着をつけるまで、ファンの方々が彼を応援し続けてくれることを心から願うばかりですし、もちろん私も応援し続けます。

頑張ろう、角松。



以下の記事も公開しています。ご覧いただけたら嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?