見出し画像

”Love / John Lennon”

[RADIO DAYZ] 1970 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。

1970年4月の衝撃のビートルズ解散宣言による騒動が収まらない中、同年7月にジョン・レノンがUK・USでほぼ同時リリースしたシングル「Give Peace a Chance (邦題: 平和を我等に)」は、ベトナム戦争に揺れるUSの社会問題を扱った曲で、反戦、平和のメッセージ・ソングとして大ヒットします。たとえテーマが違っていても、バンド解散後の初の元メンバーによるソロ作として話題にならないはずがありません。

この曲はビートルズ時代のものとは全く異なり、何度もリハーサルを繰り返してメロディやアレンジを作りこむというより、ほぼ一発?なノリと勢いで録音した作品かなと思います。とはいえポールの『McCartney』の出来と比べたら、多少手を抜いていますが(苦笑)ちゃんと作ってます。

同年11月のジョージの大作アルバムに続いて、12月にリリースされる実質初ソロアルバム※『John Lennon / Plastic Ono Band (邦題: ジョンの魂)も、ビートルズ時代のアルバム作りとは一線を画すもので、ジョンの心の叫びとシンプルなアレンジが、政治的・社会的なメッセージに凄みを加えているように感じます。

※ジョンは'69年にPlastic Ono Band名義で2枚のアルバムを制作しています。1枚は芸術の名の下の実験的作品、もう1枚はロック・フェスでのライブ盤。ちゃんとしたスタジオ録音で制作したのは、この'70年のこの作品になります。このアルバムも「Plastic …」の名義はあるものの、ジョンの名前もありますからね。

収録曲では「Mother」がシングル・カットされますが、当時よくラジオで紹介されていたのはバラードの「Love」でした。当時の私は、この曲はてっきりシングル・カットされているものだと思っていました。もしかしたら翌年にカバーされたレターメンのバージョンと記憶が混同しているのかもしれません。

レターメンはUSの男性ポップスグループ。1959年にデビューして、主に60年代に活躍しています。ジョンのバージョンがピアノと生ギターだけで全編通していますが、こちらは後半にオーケストラを加えて堂々と盛り上げています。

ジョンの「Love」は、アルバム収録バージョンは前の曲とクロスフェードしたミックスとなっています。ジョンの死後リリースされたベスト盤で、初めてシングル用にリミックスされました。

個人的にはやはりジョンの歌声に惹かれます。彼のソロ作の中で、もしかしたら最も好きかもしれません。シンプルに「愛とは…」「愛とは…」と繰り返す歌詞は心に響きます。日本の俳句の影響を受けているという評もみかけましたが、そうなのですか・・・という感じです。

切ないメロディにあわせて当時の景色も心に浮かびます。音楽って凄いですね。


夢中になってラジオを聞いていた頃の思い出をこちらでも語っています。

この記事を読んでくださった方の思い出などもコメントして頂けたら嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?