【名盤伝説】” Earl Klugh / Finger Paintings”
MASTER PIECE US出身のジャズ・ギタリストアール・クルーのアルバム『フィンガー・ペインティング』(1977)です。
10代の頃からレコーディングに参加する天才ギタリスト。ナイロン弦で奏でるギター・サウンドのジャズということで、かなり異色の存在でした。
設立当初のGRPのデイヴ・グルーシンに見出されて1976年にアルバム・デビューを果たします。そんな彼の3枚目のオリジナル・アルバムが本作です。
アルバムは同年のUSジャズ系チャートで6位を獲得、R&Bチャートでも31位にランクインするなどのスマッシュ・ヒットとなりました。
参加ミュージシャンはドラムにステイーヴ・ガッドにハーヴィー・メイソン。ベースはアンソニー・ジャクソンとルイス・ジョンソン。キーボードは御大デイヴ・グルーシン。パーカッションにはラルフ・マクドナルドにスティーヴ・フォアマン。アディショナル・ギターとしてリー・リトナー・・・当時勢いの出始めたミュージシャンが勢揃いです。
当時ナイロン弦のギターといえばブラジル系の曲が多いように思います。そんな固定概念通りにパーカッションの効いたテンポの良いM1からスタートです。クルーのオリジナル。彼の作曲レベルも相当高いです。
一転メロウでメロディアス、ロマンチックなM2。競演しているリトナーにも確実に影響を与えていますね。この曲はジェームス・テイラーのアルバム『ブルー・ホライズン』(1971)収録曲のカヴァーです。JTの朴訥とした歌い方とは違って、どこまでも甘く優しい曲に変身!ってところです。
さらに二転!トム・スコットのアレンジによるホーン・バリバリのファンキー・ミュージックM4。もちろんベースはルイス・ジョンソン。パーカッシヴなギタープレイも聞きどころです。
クルーのオリジナルって実にメロディアス、まるでユーミンが歌い出しそうなイントロのM5。リットのバイオリン奏法も素敵です。
アルバムのハイライト、クルーの代表曲となったM6。ご存じオーリアンズの名曲のカヴァーです。歌の在り無し、どちらも甲乙付け難いほど良い好きです。
アルバムラストはクルーのオリジナルM9。後にパーカッシヴなボイス・パフォーマンスが売りのアル・ジャロウが自身で歌詞を付けてカヴァーしました。それも中々の出来で、是非一度ご視聴ください。
こちらも歌あり歌なし甲乙付け難い出来で、どちらにもうっとりしてしまいます。
日本盤帯のキャッチ・コピー「メロウ・サウンドのヒーロー、・・・サウンド・ペインティングの画集!」って何?って感じですね(苦笑)。未だフュージョン前夜、クロスオーバー・サウンドの代表作です。
1970〜80年代の洋物FUSION系の記事をこちらでまとめています。宜しければどうぞお立ち寄りください。
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