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【名盤伝説】 AOR系まとめ

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AOR (アダルト・オリエンテッド・ロック) なミュージシャンや作品を紹介しています。
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#AOR

【名盤伝説】 ”Bobby Caldwell / Heart of Mine” AOR四天王。永遠のNYダンディー。

MASTER PIECE AOR四天王ボビー・コールドウェルの日本での人気を不動のものにした5作目のアルバム『ハート・オブ・マイン』(1988)です。 ボビーは1951年USニューヨーク出身。その後マイアミに移り、様々なジャンルのバントでギタリストとして活動します。1976年にシングル「The House is Rockin’」をリリースして、その独特なソウルフルなボーカルスタイルが話題となり、その後1978年マイアミを拠点とするTKレコードと契約、1stアルバム『ボビー・

【名盤伝説】 "Boz Scaggs" AOR四天王のアルバムを聴くなら先ずはこれから。

お気に入りのミュージシャとその作品を紹介しています。 AOR四天王の一人Boz Scaggs。1944年アメリカ・オハイオ州出身。今年(2024年)の6月で何と80歳になります。 1960年代から活動を続けていますが、ブルース色の強い作風で、個人的には好みではありません。初めて聴く方にはベスト盤『HITS』も良いとは思いますが、お薦めアルバムは『Silk Degrees』と『Middle Man』の2枚です。 まずは『Silk Degrees』(1976)。後にTOTOを結

【名盤伝説】 ”Michael Franks / The Art of Tea” AOR四天王。究極の無国籍サウンドに酔うアルバム。

MASTER PIECE AOR四天王認定。まったりゆったりサウンドの帝王、マイケル・フランクスの2nd『THE ART OF TEA』(1975)です。 幼少期から特別な音楽教育をうけることなく育ち、複数の大学で修士・博士課程を履修するなど、お勉強好きだったようです。ただ文学やアートにも関心があり、1973年にはマイナー・レーベルからアルバムデビューを果たし、そしてメジャーレーベルからのデビュー作となったのがこのアルバムです。 プロデューサーは名匠トミー・リピューマ。ア

【名盤伝説】 “Ned Doheny / Life After Romance” AOR四天王。カリフォルニアの蒼い風が似合うロマンティックサウンド。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。LA出身のSSWネッド・ドヒニーの4thアルバム『ライフ・アフター・ロマンス』(1988)です。 70年前半からソングライターとして活動し、1976年リリースの2ndアルバム『Hard Candy』で、幻想的でスローなナンバー「Get It Up For Love」が日本のAORファンの心を掴みにしてブレイクします。以降、定期的にアルバムをリリースしますが、本国での人気は今ひとつで、この『ライフ・アフター…』も日本発のア

【名盤伝説】 “Gino Vannelli ” 見た目と音が一致する熱唱ボーカリスト。

MASTER PIECE カナダ出身の暑苦しい系ヴォーカリストの第一人者、ジノ・ヴァネリの代表的なアルバム2枚を紹介します。 当時のジノは、毛髪もじゃもじゃ、胸毛わさわさ、ツバキと汗を周りに撒き散らしながら、そこまで歌い上げなくてもいいのにという位の熱唱スタイル。音楽もポップチューンからバラードまで、ここまで詰め込まなくてもいいのにと思えるほどの音の渦・・・これほどまでに見た目と出す音が一致しているのも珍しいです。プロのシンガーの中でも熱狂的に支持している人が多いと聞きます

【名盤伝説】 “Christopher Cross/ S.T.” 爽やかな南風を感じるAORの名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品について紹介しています。AORの定盤クリストファー・クロスの同名タイトル”Christopher Cross (邦題: 南から来た男)”(1979)です。 1951年USテキサス州出身。確かに南から来た男です(笑)。爽やかなハイトーンで優しく歌い上げるスタイルから想像される容姿とはかなり異なり、やや太めのおじさんでした。(自身の公式ホームページの写真がこれですから…) 素顔も公開せずコンサートも行わない、楽曲の出来だけで勝負したプロモー

【名盤伝説】“Larry Lee / Marooned (ロンリー・フリーウェイ)” 夏のAORの定盤。波の数だけ抱きしめたい。

MASTER PIECE 暑い季節になると、やはりこのアルバムが似合います。ラリー・リーの唯一のソロアルバム『Marooned (邦題: ロンリー・フリーウェイ)』(1982)です。 ラリーはUSサザンロックバンドThe Ozark Mountain Daredevilsのメンバーとして1973年から活動しています。74年のセカンドアルバム収録の名曲「Jackie Blue」の作者でもあります。 このバンドはカントリー・ロックとして評価されていて、確かに純粋カントリー調の

【名盤伝説】”Niteflyte / S.T.” マイアミの夜景によく似合う、アーバン・ソウルの名盤。

MASTER PIECE マイアミでの出会いがきっかけで結成されたという、サンディ・トラノ(Vo. G)とハワード・ジョンソン(Vo)によるデュオのナイトフライトです。 1979年にデビューアルバム『Niteflyte (邦題: 夢のマイアミナイト)』をリリースします。日本盤も発売されましたが、一部のマニアの間でしか話題になりませんでした。 収録曲「If You Want It」がシングルカットされ、そのメローなサウンドはUSチャートではスマッシュヒットを記録したようで

【名盤伝説】“David Roberts / All Dressed Up” TOTO好きのAORフリーク必携。再び幻にしてはいけない名盤。

MASTER PIECE TOTO / AIRPLAY系AORの代表作デヴィッド・ロバーツのアルバム『オール・ドレスト・アップ』(1982)です。 ロバーツは1958年ボストン生まれのカナダ人。アートスクール時代からロック好きでエルトン・ジョンからピンク・フロイドまで、お気に入りのミュージシャンは多岐にわたっていたようです。コンテスト入賞をきっかけにメジャー契約にこぎつけ、デビューアルバムの制作が始まります。 当初は同じカナダ系のデヴィッド・フォスターに制作を依頼するも、

【名盤伝説】”Tony Sciuto / Island Night” AORの定番アルバム。L.A.の風に吹かれてCaféで和みたい。

MASTER PIECE AORといえばこの作品、トニー・シュートのデビューアルバム『Island Night』(1980)は、ファン必聴のマストアイテムです。 トニーはUS出身のSSWで、幼少期にはビートルズに傾倒し、20代になるとコンポーザーとして活躍していました。1979年にエピック・レコードと契約して、アルバムデビューします オーケストラによる序曲に続いて流れるタイトル曲M2「Island Nights」は時代のまさに「ザ・AOR」といったギターが効いているサウン

【名盤伝説】 "AIRPLAY" AORの二大巨匠が奇跡のコラボレーション。

お気に入りのミュージシャとその作品を紹介しています。 AORの金字塔『AIRPLAY (邦題:ロマンティック)』(1980)です。 AOR (Adult Oriented Rock) とは日本独自のカテゴリーで、大人が聴いても楽しめるRockという意味。1970年代半ば頃からアメリカン・ポップ・カルチャーに傾倒した20代を中心にもてはやされた音楽です。熱量激しく奏でるrock'n'rollとは異なり、凝ったアレンジで「お洒落で上質な、洗練された都会派の音楽」とよく表現されるも

【名盤伝説】 ”Bill Champlin / Single” フラワー世代のSSWが華麗な転身。AOR界永遠のスーパースター。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。キャリア十分のSSWビル・チャンプリンの初ソロ作『Single (邦題: 独身貴族)』(1978)です。 ビルは1947年USカリフォルニア出身、今年(2024年)77歳になります。時代のヒッピーブームに呼応したサイケデリックなサウンドで鳴らしたバンド、サンズ・オブ・チャンプリンで活動していました。77年にバンドを脱退と同時に、当時はまだ若手だったプロデューサーのデビッド・フォスターに見いだされ、大きく路線転換。一転メロ

【名盤伝説】 ”Marc Jordan / Blue Desert” 吹き抜けるLAの乾いた風を感じるAORの定番

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。US生まれのカナダ人シンガーソングライター、マーク・ジョーダンの2nd『ブルー・デザート』(1979)です。 78年にスティーリー・ダンのプロデューサーとして有名なゲイリー・カッズによる1stアルバム『マネキン』をリリース。その多彩な作風と硬質なアレンジで話題になりました。続くセカンドアルバムでは売り出し中のLA敏腕プロデューサーのジェイ・グレイドンを迎えて、AORテイスト全開の作品となりました。 参加ミュージシャンは

【名盤伝説】 “Pages” あの頃の夢のハーモニー 至福の名盤の数々。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。AOR界きってのコーラス・ユニットのペイジスです。 ペイジスはリチャード・ペイジ(Vo, Bs)とスティーヴ・ジョージ(Cho, Key)を中心としたユニットです。1978年に『Pages』でデビューした時にはこの2人を含む5人編成。いなたい雰囲気ながら洗練されたサウンドで「Let it go」などを含む名盤です。 続く2作目は1978年リリースの『Future Street』。こちらは当時日本盤もリリースされます。後