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【名盤伝説】 ”Ray Kennedy / S.T.” 秀逸なフォスターアレンジにルーク炸裂 唯一無二のAOR名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。今回はレイ・ケネディ『Ray Kennedy (邦題: ロンリー・ガイ)』(1980)です。

レイは1946年米国フィラデルフィア出身。1963年から音楽活動を始め、数々のバンドに参加したもののヒットには恵まれなかったようです。このアルバムが製作された経緯は全く知りませんが、RCAとの契約に至り、巨匠デビッド・フォスターがプロデュースを担ったというこの作品。フォスターのLA人脈総動員で、特に日本のAORファンには絶大な支持を得ることになります。

参加ミュージシャンはとても豪華です。スティーブ・ルカサー(G)、マイク・ポーカロ(Bs)、キーボードにデビッドとジェイ・ウィンディング、ドラムにはジェフ・ポーカロマイク・ベアード、コーラスにビル・チャンプリントム・ケリートミー・ファンダーバークヴェネットグラウド。ホーンアレンジはジェリー・ヘイ・・・ほぼTOTOAIRPLAYです。さらに

収録曲は、出だしからインパクト大です。M1「It Never Crossed My Mind」はハードなギターチューン。頭のキック連打は多分ジェフ。ルークのリフに載せて歌い上げるレイ。後半のギターソロはルークの独壇場。そのままTOTOの曲と言えるような構成です。

M5のバラード「My Everlasting Love」はまさにフォスター・アレンジの極み。壮大なオーケストレーションは見事です。

そして問題のM6「You Oughta Know By Now」は八神純子の騒動で一躍有名になりました。彼女も初めは黙っていたので、まぁ・・・ね。

M8「Starlight」では豪華コーラス隊との掛け合いで、ソウルフルなラブバラードを盛り上げます。

このアルバムは、フォスターがプロデュースした中でも、骨太でロックマインド全開のサウンドメイクが効いている、かなり良い出来だと思っています。

さてレイはこのアルバム1枚だけを引っ提げて、来日公演を敢行します。時は1981年3月。この時のメンバーにコーラスのトミー・ファンダーバーグがいたようです(汗)。ほとんどレコードそのままのアレンジで演奏されて、それなりに楽しめたという微かな記憶・・・40年前の出来事ですから(大汗)。

(会場の中野サンプラザも閉館となり思い出になりました。)

その後の活動ですが、実際にはどのような活動をしていたのか、詳細はよく分かりません。ほぼ一発屋の扱いされてしまいます。1984年にMSGの一員として再来日を果たしますが、なんでMSGなのか・・・。1988年にはソウル五輪の開会式のテーマ曲を作曲。1995年にはフリートウッド・マックのアルバムに参加などとwikiにはありますが、活動に脈絡がありませんね。実力はボズ・スキャッグスと比較しても、引けを取らないと思うのですが・・・。
そして2004年2月に67歳で亡くなっているとのことです。

あなたのアルバムを大切にしたいと思っているファンが日本には大勢いますよ、
きっと。

そんな唯一無二のアルバムを聴き続けていきたいと思います。


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