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配達の仕事とその後のプール

子どもたちが小学生の頃、日中を利用して配達の仕事をしていた。
自治会から依頼されるものやタウン誌などの配布物だ。
実はこの仕事が私にとってお金の大切さを実感させてくれたものだった。
一部2円くらいで、大体一回配布すると700円もらえた。
好きな時間で配布ができるので私の中ではお気に入りだった。
自転車を買ってからは一気に運べるので「もっと配達できます」と申し出たくらいだ。 
雨の日は自転車を使えないので、重たい荷物を何度かに分けて配達していた。
経験するうちに自分に合った運ぶ量などを調整できるようになり、効率よく配達ができるようにもなった。

夏休みは子どもたちと一緒に配達した。
自転車に荷物を積んで、自転車を押しながら3人で歩く。
午前中がこれで終わってしまうが外に出られるせいか子どもたちも嫌がらずに着いてきていた。途中の公園で遊んだりもした。
3人とも汗びっしょりで、いつも昼からはプールへ行こうってことになる。
700円もらえるからちょうど3人分の入場料だった。

汗水流して配達して、だから3人でプールへ行けるんだ!
と、いい大人が実感した。
学生時代にもバイトはしていたがここまで実感していなかったと思う。

昼からは3人で近くの市営プールでのんびり過ごした。
大好きなプールで友達にも会えるから子どもたちも楽しそうだった。
少し我慢して貯金をすればいいのだろうが、配達を済ませたあの達成感と、その後のプールというご褒美感はたまらなかった。笑顔になれるし。

閉まるまでプールにいて、帰り道の駄菓子屋さんでアイスを買って店の前の椅子で座って食べた。これがまた嬉しい。

ということでアイス分、配達するたびに赤字だった。ね。



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