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クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性

では、どうすればいいのか?

これまで、クラウドストレージ特有のリスクと脆弱性についてお話ししてまいりました。では、それに対してどのような対策が有効なのでしょうか。それこそが遠隔地バックアップなのです。正確に申し上げますと、クラウドへのバックアップと弊社がご提供致しております遠隔地バックアップサービスの両方を相互補完するものとしてご利用いただくことが鉄壁のバックアップと言えます。
「クラウドストレージが持つ特有のリスク」にてもお知らせ致しましたが、遠隔地バックアップには以下の2種類の方法が考えられます。

  • 物理的に距離が離れたところにあるデータ管理施設

  • クラウドストレージ

このうち、クラウドストレージが持つ特有のリスクおよび脆弱性につきましては既にお知らせ致しました。なので本稿では物理的に距離が離れたところにあるデータ管理施設にデータを保存しておくことに絞りましてお話を申し上げたいと思います。

物理的に遠隔地にデータ管理施設を置くには

一般的に、物理的に距離が離れたところにあるデータ管理施設というのは、企業様が自前で用意するにはかなり高額についてしまいます。従いまして、ユーザーである企業様と契約している専門業者ということが多いです。
こういった業務を行っている会社様は、自社内にサーバーを用意して、そことユーザー企業様のサーバーと同期している場合が多いです。
この仕組みは「クラウドストレージ特有の脆弱性」の文中にも触れましたが、バックアップが常に行われてしまうため、誤操作も瞬時にバックアップされてしまうこと、各人がそれぞれにデータやプログラムを利用するために「ここがロールバックする地点」というものが存在せず、データが全部消失してもリストアの際データやプログラムの整合性がとれなくなる可能性があるというリスクがございます。
こういった業務を提供されている会社様は、クラウドストレージと違うのは、専用回線または仮想専用回線を使っていることが多いため、クラウドストレージと比較して優位な点というのは言えるかと思います。
反対に不利な点というのもございまして、通信回線の速度に制限があるため、事実上バックアップができるデータの容量に制限があるということです。最大でも500GB程度が現実的な容量です。この容量では、利用者様にとっては本当に失われたら困る中核のデータのみをバックアップできるに限るでしょう。

クラウドストレージと相性のいいバックアップ方法

では、クラウドストレージの弱点を補うバックアップ方法は何でしょうか?実はそれこそが弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスなのです。
弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスでは、物理的に記憶媒体を用意して、手動でバックアップをその媒体に行い、それを発送していただいて弊社で専用のコンテナに入れて厳重に管理致します。
物理的に媒体を用意する以上、お客さまのバックアップを行いたい容量に合わせて弊社でも媒体をその分用意するだけですので、概念的にデータ容量の上限というのが発生しません。
また「この状態をバックアップする」という状態を決めてバックアップしますので、どの状態にロールバックするかというのが明確に決まります。さらにこの特性上、過去何世代分かのバックアップを用意して、直近のバックアップで既に問題が発生してしまったという事態に陥っても、その前のバックアップを利用することが可能です(オプションサービスです)。
以上のことからおわかりいただけるかと思うのですが、弊社でご提供しておりますサービスですと、常に最新という状態には残念ながらなりません。ですが、バックアップした段階では完全に安定した状態が保存されておりますので、最新の(あるいはその前のバージョンの)バックアップをリストアした上で、クラウドストレージから最新のデータをリストアすることで、まさにリストアが必要になった状態を完全に復元することができます。

オンライン遠隔地バックアップサービス業者および弊社のメリット・デメリット

弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスにおきましては、どうしてもダウンタイム(作業を全く行っていない時間)が必要となります。また、バックアップはお客さまのローカルで行っていただくことになります。
そしてそれがまた物理的に離れたところにあるサーバーに自動バックアップをするサービスを提供されている会社様の弱点なのですが、同期のためのソフトウェアがそういった業者様の自前開発が多いです。ということは、ユーザー数がかなり限られる、つまり動作検証が市場に出回っているソフトウェアと比べて圧倒的に足りていないということです。
クラウドストレージを提供している会社は、同期するための環境も提供していることが多いですね。そういうところは巨大企業が提供していることが多いですから、安心ということではそれなりに安心はできるのでしょう。
弊社が提供致しております遠隔地バックアップサービスでは、静的なバックアップを行いますので、極論を申し上げればOSの機能だけでバックアップを取ることも可能です。ただ、それでは使い勝手が悪すぎますので、市販のバックアップソフトで行っていただくことが現実的でしょう。そうすれば、タイムスケジュールも設定できますので、ダウンタイムを夜中や休日に持ってくることもできます。
というところなのですが、以上、それぞれまとめますと以下のようになるかと思います。

  • クラウドバックアップはシステムを利用している状態でバックアップを行うのに対し、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではバックアップのためにダウンタイムが必要

  • クラウドバックアップはダウンタイムが不要、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスでは必要

  • クラウドバックアップでは処理中にデータが変更されると最終的な状態と合わない可能性がある、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスはそのようなことが起こらない

  • クラウドバックアップではシステムの読み書きが同時に行われるため、負荷が大きい、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスでは負荷が小さい

  • クラウドバックアップでは誤操作も自動的にバックアップされてしまいますが、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではそのようなことは起こり得ない

  • クラウドバックアップでは不正アクセスやウィルスの危険がある、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではほぼその危険がない

  • クラウドバックアップでは電力サージや停電の影響を受ける可能性がある、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスは受けにくい

  • クラウドバックアップでは管理コストが高い、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスはコストが安い

  • クラウドバックアップではデータ消失事故の場合クラウドバックアップ提供業者に責任を問えないケースがある、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスでは弊社ですべて行える

  • クラウドバックアップでは既存業務とバックアップの同時並行になるため安全性が低い、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスは安全性が高い

  • クラウドバックアップではバックアップ中に同時にデータへの操作が行われるため信頼性が低いバックアップではダウンタイムを設けるため信頼性が高い

  • クラウドバックアップではバックアップを作成した日時が様々になるためリストアが困難弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではリストアが容易

  • クラウドバックアップでは基本的に「現時点」のバックアップなのでロールバックはほぼ不可能、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスでは容易

  • クラウドバックアップではシステム稼働中のまま行えるので便利、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではダウンタイムが必要

  • クラウドバックアップではシステムを停止せずバックアップが可能、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではダウンタイム設定やダウンタイム延長のリスクがある

  • クラウドバックアップでは常にバックアップ中なのでリアルタイム性は高い、弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスではダウンタイムが必要のため頻繁なバックアップ取得が困難

いかがでしょうか。こうして整理してみますと、クラウドバックアップと弊社のご提供しております遠隔地バックアップサービスは全く逆の性質があります。つまり、これらを組み合わせてご利用いただくことで、貴社の情報は完全に守られることになります。

小括

安全は、普段の利用では意識することはほとんどありません。しかし、何かことが起こったときにはそれに頼ることになります。ぜひ、クラウドへのバックアップと弊社がご提供致しております遠隔地バックアップサービスの両方をご利用下さい。

目次

クラウドストレージが持つ特有のリスク

クラウドストレージが持つ特有の脆弱性

クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在

ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由

弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして

クラウドストレージのメリット・デメリット

Microsoftさん、それはないでしょう

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