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はだし

  雨あがりに誘われて裸足 
  シャリシャリまとわる草の群れ
  ひんやりちくちく切れたかな
  でもなんだか気持ちいい
  ふんづけて走って裸足で走って

  やんちゃになりたい足のうら
  キュウキュウ吸いつく泥土の底
  ひんやりぷちゅぷちゅ奇妙な感じ
  でもなんだか気持ちいい
  ひっこぬいてからまるみみず

  あかちゃん虫がくっついた
  僕は裸足 
  大地は裸



  しょげてるフリが上手なナズナ
  そういう生き方もあるかな
  茶色くなった葉っぱは
  別の生き方を見つけたし
  そういう生き方もありだね

  大人になりすぎたから
  裸足になれないのか?

  砂利道も川原もギチギチ痛い
  ゆっくりおろしてゆっくり歩いて 
  確かめる
  いろんな形で大中小
  人間みたいだ

  この時代(とき)もこの場所も
  ギチギチ痛い
  人間の中を歩く時も
  このくらい
  ゆっくりおろしてゆっくり歩いて
  確かめていれば
  つまづくことも転ぶことも 
  ないのかな?

  僕は裸足 
       大地は裸


  大地はずぅっと裸なのに
  僕は裸足になることさえ
  恥ずかしくなったことが
  何度もあるよ

  大人になりすぎるって
  そんなものなのかな?

  損なもんだよ



  (自然詩)

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