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少年の価値観

くろにいちゃんのパトロールと少年の価値観(1)


くろにいちゃん。


今日は
午後から日向ぼっこがてらのパトロール。


集会場が開くのは星が輝く夜なのに、、、

お日様テカテカ
お昼に猫たちが
いつもとちがう場所に
集まって会議をしている。


にゃんだか最近

にゃあたちの集会場が人間にバレた。

にゃんだそれ。

にゃんで人間にバレるんだ?

にゃから臨時集会を開いにゃ。

しばにゃくようすをみようにゃ。



くろにいちゃんは会議に顔を出しただけで
しっぽで挨拶をしてパトロールを続けた。


土手の
まったり台
雑草村の中で

1人の人間の少年を見つけた。


少年は
ひざを抱え空を見上げて口笛を吹いていた。



だいたいの猫は
足音なんかたてないで
歩くもんなんだけど、、、

くろにいちゃんは 
少年を
自分の縄張りから追い払うために
わざとザガザガと
足音をたてて
近づいて行った。

(なんなら飛びかかってやろうか、、、)


やぁ猫。
元気かい?
猫にも仕事ってあるんだろ?
君の仕事は何?

少年が言った。


くろにいちゃんは驚きもせず
(いや驚いたはずだ)


急に変な事を聞く
少年のことをからかってやろうと返事をした。


もちろん猫語で。
にゃあ。にゃあ。にゃあ。


少年には解るわけないけど。
少年は喋りはじめた。

僕は今
口笛で呼んだんだ。
妖精とか来るかな~
UFOとか来るかな〜
誰か来るかな~
って
思ってね。
笑うだろ?
妖精なんて本の読みすぎだし
UFOなんて都市伝説だし
誰かって誰も来るわけないしね。

ここはいいとこなんだよ。
この前ふとみつけてね。

猫にもいいとこかもしれないよ。
日向ぼっこにはちょうどいいよ。
良かったら猫もここにいていいよ。


何言ってんだこいつ?

この少年は、、、


良かったら猫もここにいていいよって、、、


ここは猫の縄張りだ!
俺様の縄張りだ!


くろにいちゃんはピンときた。


集会場が人間にバレたって
こいつのことか?
こいつ夜もここに来てんのか?


くろにいちゃんは
に"ぁがに"ぁ

言ったけど
少年には解るわけない。


少年はまた喋りはじめた。


うるさいんだよ。
まわりが。
大人たちが。
おしつけるんだ。

自分ができなっかたことや。

自分が子供の頃は
あぁだった。
こぉだったって。

お前はひねくれているって。
素直じゃないって。

確かにね。
そうおもうけどさぁ~。

じゃぁ自分が子供の頃は?
本当にひねくれてなくて素直だったの?
って
聞き返したら
頭かけるほど叩かれた。

口答えするなって。

瞬間痛かったけど
それは答えにはならなかった。

こんな問題も解けないのか?
って
常日頃言われるけど、、、

僕の問題の答えはいつだってないよ。
解けないよ。

大人ってどうしてあぁゆぅ眼で
僕をみるんだろう?

猫も見てみる?

大人のあぁゆぅ眼、、、

凄いんだ。

グルグルいっぱい詰まっていて 

都合良く色を変えられる。
きっとメガネ屋もビックリするよ。


くろにいちゃんは猫語でこう言った。


あしたまたここにきたらおまえいるか?


少年には解るわけない。
でも少年は、、、


じゃぁまたあした。

言って帰って行った。








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