見出し画像

僕が創りたい建築を「紅の豚」で例えて書いてみた。

僕の創りたい建築は「紅の豚」に描かれる飛行艇のようなものです。現実の空に浮かぶ、現実を超えた何か。避難所というよりは、日常と非日常が織りなす場所。現実の枠組みと、そこにひっそりと息づく抽象的な空気。それが僕が描く建築の理想です。

ここへ足を踏み入れた人は、まるでポルコが空を舞うかのように、自らの夢や希望を育むヒントを見つける。僕が作り出すのは、外見はしっかりと現実的な形をしているが、中に一歩入ると現実の感覚がふと揺らぐような空間。

この場所は、時に非現実に傾きつつあり、僕たちの現実世界に落とし込みにくい過剰表現を採用しがちな近年の日本のアニメや映画から一歩引いたところにあります。過剰な虚構ではなく、リアルとほんのりした非現実が混ざり合うバランスを追求したい。この微妙な配合が、訪れる人に新たな感覚を与え、現実で新しいものを見つけるきっかけになります。

「紅の豚」のポルコが選んだ豚の姿は、人間世界から一歩外れた選択です。それは逃避ではなく、理想を追求するための視点。僕の建築も、ポルコが豚を選んだように、現実から少し離れても、希望を見出し夢を見る力を育てる場を提供し、また 人間世界に戻る建築です。

トトロの森のような、日常に溶け込む不思議。「もしかしたら僕たちの住んでいる町の裏山にもトトロがいるかもしれない!」と子供たちが映画を見た後に山に走り出すような。

そこには枠を超えた何かが息づき、存在だけで行動や思いが変わるかもしれない予感。そうした体験を通して、人々は自分たちの世界に対する新しい見方を得ると思います。

僕が創る建築は、理想と現実が混在する「可能性の空間」。実用的でありつつも、訪れる人の想像力をかき立て、新しい夢や希望を呼び覚ます場。現実の中で静かに息づく、夢を形にする建築を僕は作りたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?