市役所の本気のDXが始まったと感じた瞬間
こんにちは BOKUです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)と言えば、もう誰もが知っている言葉になってきていると思います。
DX・・・デジタル技術を用いて「社会や生活の形を変える」
当市役所でもDXの波はコロナ渦のときから急速に始まり、システム中心に先行してきている印象です。具体的な取り組みとしては、押印廃止、電子決裁、ペーパーレス化、テレワークの制度設定やフリーアドレス化の検証。徐々に順番に進めている感じです。
文字にしてみると、結構DXが進んでいる印象かもしれませんが、さらに今年度になって、新しい取り組みが始まりました。新しく始まった取り組みについて僕が革新的だと感じたことを、本稿のテーマにします。
オフィスサポートセンターの活躍
オフィスサポートセンターとは、文書のPDF化や、印刷物の作成などの庁内のバックオフィス業務を支えてくれる部署です。当市の知的障害者雇用の側面も兼ね備えています。この部署が今年度から新しくスタートしました。
僕はこのチームに文書のPDF化をお願いしました。依頼した内容は永年文書のデータ化を段ボールで数百箱分。
永年文書というのは、永年保存文書。その名のとおり、ずっと残す文書です。
この永年文書がやっかいもの。10年に1度の機会で、本当に残すべき文書なのかを見返す機会はあるのだけれど、実際に廃棄することは稀です。原因としては、そのタイミングに不要という判断ができないからだと思います。数年に1度異動があるので、課内としての平均経験年数の浅くなりがちな公務員は、この文書、見ることはないだろうけど、もしかしたら今後のために要るかもしれないと、そのまま残しておくという判断を下します。結果どうなるかというと、永年文書がずーーっと書庫に貯まる状態になる。一方で毎年、新しい永年文書が次々と増えていくため、書庫が圧迫されるという。
どこの市町村区役所でもあるあるの光景だと思います。
30年以上保存しないというルールを定めて永年文書の問題を解決する自治体もあるようですが、中には当然30年以上残すべき資料もあると思うので、議論の余地を残します。
つまり永年文書の電子化の何がいいかというと、廃棄の判断をせずに、書庫から紙を減らすことができるということです。
昭和の頃からの長年の垢を落としていく感じで気持ちいいです。
生まれた意識の変化
オフィスサポートセンターへ文書の電子化を依頼したことで、意識の変化が3つ生まれてきたのを感じています。
1つ目は、電子化しやすい形での文書を考えるようになった。
→用紙のサイズがバラバラだったり、綴じてあるものはスキャン作業に時間がかかる。一覧表(目次)があると、スキャンの漏れの有り無しの判断材料になる。スキャンしやすい文書整理の必要性を感じた。
→標準化・統一化
2つ目は、電子化する必要のない紙類整理に目を向けるようになった。
→特に残す必要のない添付資料や、しまってある場所が違っている紙を普段から整理しておくといい。それはファイルにしまう前に気づいたときにでも面倒くさがらずにすること。
→省力化
3つ目は、他にも電子化できるものがないかという意識が芽生えた。
→1日1段ボール/人の作業スピードで電子化していってもらえています。目に見えて、書庫が片付いていく光景をみると、もっと他に電子化を進めれるものはないかと考えてしまいます。
→応用・横展開
まとめ
単純作業とはいえ電子化(スキャン)作業は、かなりのマンパワーを要します。重要だと分かってはいても、急ぎではない。いま急いでしなくても当面は困らない。普段の仕事にさらにプラスとなると誰も進んでやりたがらないところに救世主として現れたのが、オフィスサポートセンターのメンバーでした。
電子化が進んで初めて、やってみて初めて、業務の電子化の効用に気づくことが多くあります。現場感覚のDXが始まると感じました。このDXに対する感覚や意識の変化が生まれたのは実際に変化を目の当たりにしたからだと思います。
一歩ずつ一歩ずつ色々と取り組んできて、やっと。
DXの成功に向けての色々なピースがハマりつつあるのを感じています。
現場が身を持ってDXの良さを感じることができるようになることも、DXの成功に欠かせないピースの一つです。
おわりに、誰もがいきいきと働ける社会を作るために、知的障害者雇用の側面も兼ね備えたオフィスサポートセンターの開設は革新的な方法だと、一人でも多くの人に伝わることを願います。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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