【書評】名探偵のままでいて
小西マサテル「名探偵のままでいて」
『名探偵のままでいて』は、2023年に第21回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した作品で、「レビー小体型認知症」を患った祖父が、孫娘から持ち込まれる日常の謎を将来の知性と認知症の症状として現れる幻視を織り交ぜながら解き明かす安楽椅子探偵ミステリー。
連作短編という形式を取っていますが、一つ一つの物語のクオリティは高く、作品が後半につれて明かされる主人公の背景とそれを踏まえた読後の爽やかな感情芽生える良作。
個人的には消失トリックを扱った「プールの"人間消失"」がお気に入り。
レビー小体型認知症というものを今作で初めて知りました。認知症といえばアルツハイマー型認知症のイメージがありましたが、細かくカテゴライズされているのですね。
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