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外国人介護職員の様子がおかしい

勤務態度がよくない

 うちの施設で働いている外国人介護職員は、留学生として施設で働いていました。その時は、明るく積極的に仕事をしていて、日本人職員と一緒にフットサルなどをすることもありました。
 休日もあちこち出かけるほど活発で日本になじもうとしている様子が見ていてわかる人でした。
 話しやすい職員とそうでない職員はいたようですが、業務に支障が出るほど会話ができないことはありませんでした。
 しかし、ある日気が付くと周りから勤務態度が悪いと陰口を言われるようになっていました(この陰口を言うのは一番腹が立ちます!)。その内にどんどん孤立するようになっていきました。
 業務連絡の内容が分からなくても誰にも聞けずに提出物が出ていなかったり、研修に参加できなかったりと不都合も発生していました。フロア違いで同じ国の友達がいたので、その子に聞いて何とかやり過ごすこともあったそうです。
 あまりに状況がひどいでの上司から注意を受けたそうです。そして、そこからどんどん殻にこもってしまい、より状況が悪化していました。

抑え込んでいた感情が爆発

 この酷い状況の時の私は違うフロアの現場リーダーをしていました。この業界あるあるで人手不足過ぎて必死で現場をまわすことで他のフロアへ目を向ける余裕なんてなかったので、噂には聞いていましたが以前の様子(明るく、活発な時は同じフロアで働いていました)を知っているので「どうしたんだろう」と不思議には思っていましたが動くことができませんでした。
 その後、リーダー職を解かれ教育担当となり、同時に登録支援機関にも所属したこともあり、うちの施設の外国人介護職員と面談をする機会がありました。
 面談のはじめは平静を装って特に問題はないと話していましたが、そうでないことは知っていたので、時間をかけて話をきくと泣きながら話をしてくれました。
 話の概要は、指摘されている勤務態度は他の日本人職員も行っていることで特に注意をされた様子はない(と本人は思っていたようです)のに、陰で自分のことを悪く言う人がいる。さらに、リーダーからも注意されてしまい、"何で私だけが怒られて、日本人は怒られないのか"と思ってしまい信じられなくなっていたそうです。それから、嫌いな日本人職員とは口を利かないようになり、その態度がさらに状況を悪くしていたとのことでした。

改善された環境

 状況を把悪した私は、怒られたのはあなただけでなく他の職員も注意されていることを伝えました。そして、何がいけなかったのか理由をしっかりと説明しました。上司からはしっかりと説明がなかったと言っていました(おそらくは、説明をしているが感情が先走り耳に入っていかなかったのだと思います)。
 そして、こじれた関係性ですがこれは無理に修正することはしませんでした。日本人は嫌いな人でも仕事とプライベートを分けて、仕事で必要な会話をする国民性です。しかし、外国人は嫌いな人と話す必要はないので徹底して拒否をする考え方があるので、嫌いな人と無理に話す必要はないが、仕事に関連していることはきちんとコミュニケーションを取るようにだけお願いをしました。
 この状況を施設の担当者に説明し、事態の改善を進めました。まずはリーダーから声を掛けるようにすること、周りの職員も遠ざけるのではなく一緒に働く仲間であることを理解させ、積極的に話すようにしてほしいと助言をしました(これは、施設の教育担当というより支援機関の職員としてのアドバイス。立場が難しく自分でも混乱している時期です)。
 その後、身体の不調などもあり夜勤が困難ということで常勤職員から非常勤職員になり夜勤から外れ働き方にも変化がありました。
 その結果、体調不良もよくなり元気も少し出てきていました。笑顔も増えてきました。今では、周りの職員から積極的に声を掛けてくれるようになり、笑いながら会話ができるようになりました。
 まだ、昔の状態にまでは戻りきっていませんが、辞めたいとまで口にしていたのに続ける意思を見せてくれ、笑顔で働くようになったのでほっとしています。

登録支援機関は大事

 私が所属する登録支援機関は、できたばかりでそれをきっかけにうちの施設の外国人介護職員は登録支援機関私のところに変更しました。
 以前の登録支援機関は大手でしたが、面談を3月に1回短時間するだけでその内容も特に施設に伝えることもしていませんでした。ですから、外国人の不満が施設に届くことがなかったのです。
 もちろん、登録支援機関は外国人を支援するものであって施設の運営方針などに口を出せるものではありません。それでも、改善を要求する外国人の声を届けることは絶対に必要だと思います。
 私が有料職業紹介事業で紹介した外国人人材を採用してくれた施設では外国人も施設もWIN-WINになって欲しいと思っているので、規定の3月に1回ではなく、はじめは月1回の面談をしています。困っていることがないか、介護で不安なことはないかヒアリングして、施設からの要望も伝えて、面談の結果は施設にもフィードバックするようにしています。
 そして、私は介護の現場職員でしたので介護業務のことをよく知っています。教育もたくさんしてきました。だから、困ることもわかるしその解決方法もわかります。外国人人材と施設が良い関係性を築きながら、互いの不満を解消できるよう手助けをすることが支援機関の本来の姿かと思っています。
 皆さんのところも登録支援機関との関係がほとんどないのならもっと積極的にかかわってもらったらよいと思います。私たちは、施設と支援機関両方を理解できるので、最良のアドバイスができると思います。


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