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採用戦略は大事です!

介護における採用戦略とは

 当たり前の話ですが、採用のために戦略を練るのはとても重要なことです。おそらくは、どこの施設でもお持ちのことと思います。
 この記事を読んでくださっている方たちが採用人事の担当者とは限らないので軽く説明をすると、例えば、介護福祉士が3割以上いないと介護実習生を受け入れられないです。また、実習生を指導するための介護福祉士実習指導者の講習会を受講した職員が必須であったりします。
 実習生を受け入れることで収入があるわけですが、そのためには上記の2つの条件は必須です。現状を確認し3割を切っているなら介護福祉士の資格保有者を採用しないといけませんし、介護福祉士実習指導者の資格を持っている者がいないなら、保有者を採用するわけです。
 介護には報酬加算がります。一定の条件を満たすことで加算を取ることができます。それには職員体制に関わる加算もたくさんあります。
 このように、加算や収入源を条件に現状を鑑みて必要な資格保有者や人材の採用計画を立てることも戦略の一つです。
 もう一つは、単純に介護現場の労働力不足です。昨今どこの施設でも人材不足は当たり前のように悩んでいると思います。
 ここでは、正規雇用だけでなく、派遣社員や有期雇用などの雇用形態も考慮します。週4日の労働力不足であれば、週4日以上の非常勤職員の採用を検討するとか、夜勤ができる人材が少ないなら夜勤専門の派遣職員を採用するなど、状況に応じて雇用形態を考えます。
 これらを考慮して採用戦略を立てて長期、短期での採用計画を検討していくことになります。

背に腹は代えられないけど…

 現場職員は人事担当がこんな採用戦略や採用計画などを一生懸命に考え、予算と格闘しながら採用をしているなど考えたこともないと思います。
 だから、せっつくように「早く入れて欲しい」と騒ぎます。勿論、現場の人材不足は職員の身体、精神を疲弊させますし、その影響は利用者へのサービスにも現れます。そうすると、就労条件が合えば採用してまうことになります。なるべく人を見て選びたいのですが、あまりにも不足しているととりあえず派遣職員を採用する、正規職員で応募があれば採用してから育てようなどということが起きます。
 こうなると、人間性に問題があり他の職員と衝突する人や、利用者に危害が及ぶほどのヤバいひとが採用されることもあります。
 多くの現場職員は人任せな部分が多いので人を入れても育てる意識が薄く、不器用な職員を「使えない」と評して人事課に文句を言う始末です。
 ここまでくると戦略もなにもないです。行き当たりばったりの採用人事になってしまい現場がどんどん混沌としてきます。
 覚えが悪い人や、仕事が遅い人はまだいい方です。本当に利用者に害が及ぶような人もいます

現場と人事のタッグ

 採用戦略では、収入や資格条件などの側面が中心に考えられることが多いですし、現場では即戦力という考えが強いと思います。視点が違うことが分かります。どちらも正しいというか必要な視点だと思います。だから、協力する必要があります。
 人事担当の仕事内容は採用だけではありません。人材育成も範疇に入ります。現場で職員教育ができる職員を育成したり、介護福祉士を取得していない職員を管理し、受験資格を有していたら受験を促進したりします。
 育成計画も現場と共有することで、介護福祉士3割以上を現状の人数で実現できるかもしれません。資格保有者を採用するのは昨今非常に困難ですから。また、未経験者が最近は増えているので現場教育の重要性が高くなっています。教育には時間が掛かるし、指導職員の人数も多くない施設もあると思います。一気にたくさん採用しても育てられないことになってしまうので、その匙加減も現場と相談しながら行うことが良いと思います。

人事戦略会議の設置

 協力することはわかっていて、やっているつもりでしたがなんとなくバラバラだったように思います。
 そこで、現場の状況などを部長がまとめることを前提に各セクション部長と事務長、施設長と人事担当が集まり、人事戦略会議というものを設置しました。
 どんな人材が必要なのか、何人必要なのか、どのスパンで採用をするのか、介護福祉士を取れそうな職員はいるのかなど検討したり、学校訪問や求人媒体の選定、派遣職員の検討などもします。
 大きな法人なら人事の専門部門があるかもしれませんが、小さい法人では総力戦です。それでも、絶対に必要なものだと思います。
 できれば、この会議の中に現場のリーダーや一般職員なども入れるともっと視野を広げることができるかもしれませんし、できることも増えるかもしれません。
 まだ始まったばかりの人事戦略会議なので手探り状態ですが、頑張って現状を変えていきたいです。




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