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子どもに教えられたこと。どんなときも、どんな場所でも、何度でも。

朝起きてこない夫にイラッとするのが土日の感情ルーティンになっている。下の子を公園に連れて行ったり、上の子とおやつの買い出しをしたりお昼ごはんを作って片付けて…なぜ土日はこうも休めないのか。金曜はワンオペだったし。

世の中の、働きつつワンオペの人たちは神。
人間を越えている。

夕方から気圧上昇注意。
気圧の影響で体調がいまいちになる夫は午後もだらりんとしており、同じ体質の上の子もぐたぐたしている。

もうすぐ習い事に連れていくというとき。
また来週看病しながら仕事だったらどうしよう、と考えると絶望する。

念のため体温を測るも平熱。
吐き気やつばなど、発熱前の兆候もなし。
おそらく、気圧上昇のせいだ。

先週はパパママ上の子でインフルで、今週はやっとこさ乗り越えた。
また看病だと(自分もダウンすると)もう心が折れそうだ。
エンドレスで、労働とケア労働。

休みがほしい…

結局、習い事に行くという上の子をチャリに乗せて見慣れた街に漕ぎ出す。

今まで何度こうしてチャリを漕ぎ出しただろうか。

ぐだぐだだったり、機嫌が悪かったり、やる気がなかったりする時は、遅れ気味になる。自然と私は全速力で漕ぐことになる。もう慣れっこだ。イヤイヤ期に比べれば今は暴れないかららくだけど。

秋の爽やかな風と、灰色とピンクの間のようなアートな空に、浮き足たってきた私は息子を乗せた電動チャリを飛ばす。私の心も風に揺られて風通されている。

グーン、とチャリがスピードを増していく。

「お、○○○○(私のフルネーム)選手、追い上げています!!」

息子が実況してくれる。
「○○選手、一位で通過しました!!」

とても気分がいい。
私はこの、わずか10分足らずの時間が愛おしく感じられた。
息子に乗せられて「ひゃっほう!」と叫ぶ私。
るんるんと叫びチャリをこぐなんて高校生か?

息子はもう1人で公共交通機関で行くこともできる場所の習い事。
チャリを漕いで、励まされて、風を切って急げ!進め!と進む時間。
帰りはいつも、よかったところをほめてのんびり帰る。
「いつか、この習い事やめることがあっても、役に立つことがいろいろあるね」
そんな話もする。

いつか、終わりが来る、息子をチャリに乗せて走るこの時間。

どんなときも、どんな場所でも、何度でも、息子は親になった喜びと切なさを思い出させる。

最高に可愛くて、にくたらしい。

きっと、わたしはチャリを漕いで同じ道を行く最後の日を涙なしで乗り切ることができない。

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