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はじめての仕事。初めてやった仕事って、その後の人生にずっと役立つんだなと15年は働いてしみじみ感じる。

最近、しみじみしてますか?
私はここのところよく、しています。

はじめての仕事、というお題を見てパッと頭に浮かんだことを書きます。

💼

父は高校卒業後、地元の金融機関で働き始め定年まで勤め上げた。
当然、まだATMもネットバンクもない時代。
お客様のところへ現金を集金に行く仕事をしていたそうだ。
山に囲まれた谷がある地域だから、きっと、地図を頼りに山道を登ったり、あぜ道を歩いたりしたのだろう。

たいへんだ。
そうして稼いだお金を貯金して、子たちを育て上げたんだなあとしみじみする。

初めて外資系企業に転職した時、会社の先輩が、「私も日系企業出身なのよ」と仲良くしてくれた。アメリカ企業にいると相手にするのは日本の顧客と日本の厚労省だが、日系企業にいると外国の政府や取引先とのやりとりがある。

その先輩のはじめての仕事は、アメリカで使うサイズの紙と穴あけパンチを買ってくることだったそうだ。

なんか、いいな、と思う。
その人はかなりシニアなポジションだったけど、駆け出しの頃の話を聞かせてもらえるのはおもしろい。

きっと、国ごとに紙まで違うなんて…
という驚きから始まり、仕事をグレードアップしていったのだろう。その先輩には親近感がわいた。

☎️
最初に勤めた会社で経験したことはかなり昔のことでも覚えている。

すごく苦手で嫌だったけど、役に立った経験がある。それは電話を取ること。

自分がいるのは海外事業の部署だったのに隣の島の営業本部の電話が鳴り響くと取らざるを得なかった。

なぜ?責任範囲外なのに?
100歩譲って留守を頼まれたわけでもないのに?

と思ったが、電話の取り方すら知らずに歳を重ねなくてよかったと胸を撫で下ろした。別に、電話を取る仕事にその後ついた訳ではないけれど、「出来て損はないこと」はできるに越したことないと思うようになった。

外資系にいて、裁量労働制でフルリモートで、と柔軟すぎる働き方をして長いので、世間との乖離がかなりあると自覚しており、ふとした時不安になる。だから日系企業で教わったお作法がささやかな心の支えになった。

🏭
初めての仕事は海外向けの輸出だった。
ここでその後に渡る大事なことのほとんどを学んだ気がする。つまり、基礎だ。

契約して、受注して、生産して、出荷して、代金を回収する。

どこの会社に行ってもあてはまる事だ。
製造業かサービス業で異なる部分もあるけど、お客様を獲得して、提供するものを決めて、納品して、代金をもらう。
そこに、輸出とか貿易とか契約とか製造に関する引き出しが追加されていった。

いちばんはじめの出張は、自社の工場。
担当する製品の製造工程を見せてもらった。

工場に入るにはドアの前でエアシャワーを浴びるとか、原料の入荷までかかる日数が物によって違うとか、工場のラインをどう使うかを月一の会議で決めるとか、出荷前と後で置き場所が変わるとか、今説明されるとふーん、で終わることも社会人一年目で見聞きするとトンデモないスピードで吸収される。やはり、感動がでかいのだと思う。

何年も後になって品質の仕事を長くやることになって思ったのは肌感覚があることのありがたさ。はじめての仕事で得た物は何度でも呼び起こせるし、「これこれ、知ってる!」となる。

今も新製品を出す過程に携わっているため、モノを作る現場の絵が頭の中で描けるのはとても助かる。もし、ものづくりの想像だけで今の仕事を乗り切ろうとしたらしんどかったに違いない。

こうして俯瞰すると、やはり、しみじみしてしまう。

はじめての仕事で得られるのは、「それ、私知ってる!」という安心感と自信なような気がする。こればかりは、体験しないと得られない。

世間という大海原に出た時、なんかこれわかるぞ!という土地勘があると進みやすい。また新しいものを知った時、もともとある知識とドッキングしていくと知ることが楽しくなるように思う。前にやったことがあるからこんな感じかな?というように。

最近思うのは、できるだけ、知らないことを知るよう心がけようということ。つい、知ってることに頼って学習機会を逸してしまったことがあるからだ。

新しく学ぶ喜びも、これまで得たものがあってそこに戻れるという安心があるからこそな気がしている。

❤️

はじめての仕事について思い出す時、その時の自分も思い出してはずかしくなる。やんちゃで無謀だったし無知だったなあ、と思う。

そんな自分を遠くに見つめることができて、歳を重ねる利点を感じる。まあ、これから新しい自分になればいいしさと開き直れる。

人生100年時代。

まだこれから、はじめての仕事をすることもあるかもしれない。これまでの経験だとこんな感じかな、と自分の枠に当てはめたりせずに、新社会人のころのように、新しく体験するワクワクした気持ちを持っていたいものだなあと思う。

しみじみとワクワク。
どちらも大切にしたい。

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