見出し画像

住宅ローンで煮詰まってしまったアナタへ#4<ライフサイクルについて考える>

マイホームが欲しい理由

最終回は原点に立ち返り「なぜ煮詰まっているのか」を考えます。

アナタは今、マイホームを取得する事を前提にしてませんか?
むしろ、取得しなければイケナイと思っていませんか。

もう一度、よく考えてみましょう。
マイホームを取得するも、しないもアナタの自由です。

それを踏まえて、あえて言います。
「マイホームが無くても死にません」
以上です・・・・。

・・・となってしまうと終わってしまうので、
もう一歩踏み込んで考えてみましょう。

なぜマイホームが欲しいのか?
マイホームはペットと同じ嗜好品です。
無くても死ぬことはありません。

ではなぜ欲しいのか?
目的はペットと変わりません。

それは人生に彩りを与えるために。
心豊かな人生を送るために。

そこから考えないと煮詰まってしまいます。
それでは豊かな人生とはなんでしょうか?

ライフサイクルを意識する

人生を考える上でライフサイクルは重要です。
人間は必ず生まれて必ず死にます。
そのスタートからゴールまでの過程をライフサイクルと言います。

その過程で、結婚するものもいれば、子供を授かるものいる。
そこに関わる様々な出来事をライフイベントと言います。
そして様々なライフイベントは思い出となります。
その思い出が素晴らしいものであれば、心豊かな人生になります。

心豊かな人生を送るために、マイホームはどのような役割を果たしますか?
建てた瞬間では無くライフサイクルでイメージして下さい。
そこにマイホームが欲しい理由が隠されているのではないのでしょうか。

住宅とお金について考える

住宅を取得するためには「お金」が必要です。
「当たり前」と感じるでしょうが、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。

住宅を取得するという目的が無ければ、「通貨」の価値はありません。
言い換えれば「通貨」自体には価値が無いからです。
あえて「お金」を「通貨」と表現しました。
通貨とは流通貨幣の略称で、決済のための価値媒体です。

そうなんです。
現在、一般的に「お金」と言われているモノは、「通貨」であり決済、つまり使うことによって初めて価値が生まれるのです。

そこで重要なのは自分のライフサイクルにおいて、どのタイミングで「お金」を使うと最大の満足度と得られるのかということです。

ライフプランを考える

先ほどライフイベントについて触れました。
ライフサイクルの過程で、結婚するものもいれば、子供を授かるものいる。
そこに関わる様々な出来事をライフイベントであると説明しました。

そして、自分が満足できる人生を送るために、ライフイベントを自らが設計する事をライフプランニングと言います。
「マイホームを取得する」ということは、人生の中で大きなイベントになります。そして「いつ、取得するか」ということは、重要なライフプランニングです。

ライフプランにおける住宅ローンの役割

「住宅を取得する」というライフプランがあっても、「お金」が無いと無意味な計画となってしまいます。

そこで登場するのが住宅ローンです。
住宅ローンは、地味にお金を貯蓄してから住宅を取得すると60歳を超えてしまうというライフプランの時間軸を30歳に動かせる能力を持っています。
住宅ローンはライフプランの自由度を格段に高める事が出来るのです。

重要なのは自分のライフサイクルにおいて、どのタイミングで「お金」を使うと最大の満足度と得られるのかという話をしました。
30歳でマイホームを取得して子供の成長を見守りながら過ごす住宅と、60歳過ぎてから取得するマイホームでは人生においてどちらが価値があるか。

考え方は様々ですが、私は迷いなく前者を選択します。

一度初心に立ち返る

住宅ローンの窓口にくるお客様で「自分が最大でいくらまで借りられるか」と質問してくる方がいます。

そのような時、私は「ライフプランはどのようにお考えですか?」と質問してみます。
大抵は立派な家を建てることしか考えていません。
「せっかくなので納得いくような立派な家を建てたい」という気持ちはわかります。

しかしながら住宅は取得が目的ではありません。
人生においてマイホームに価値を持たせる事が大切なのです。
借入限度額まで借りて住宅ローン返済の為だけに働くなんて、寂しい人生だと思いませんか?

実際に初めての住宅取得で納得できる家に出会える方はほんの一握りです。
そんなことは当然で、皆さん漏れなく住宅取得の初心者なのです。

「値段」や「豪華さ」では無く、今時点で自分の家族が本当に何が必要なのかを本気で考えることです。
「お隣の迷惑を気にせずに、思いっきり子供を遊ばせたい」
「部屋が少なく手狭だったので、ゆとりのある空間で過ごしたい」
「広い庭でバーベキューをやりたい」
住宅を建てるきっかけは、確実にあったはずです。

それが途中から「せっかくなので納得いくような立派な家」に変化してしまい、当初の目的を忘れてしまっていませんか?
初心に戻って自分の希望に優先順位をつけてみて下さい。

住宅を点でなく線で考える

住宅を「点」でなく「線」で考えてみましょう。
最初は住宅取得の初心者だったのですが、住み続けるとだんだん納得できる家が見えてきます。

皆さんは注文住宅の利点は「自由度が高い」と考えがちですが、それは取得当時の「点」の話で、「線」で考えると実は不自由なんです。

ライフサイクルにおいて現在は4人家族だが、子供が家を出て、いずれは2人になる。また年を重ね体が不自由になり、快適だったはずの住宅も不便になる可能性も出てくる。
賃貸だとライフサイクルに応じて対応できるが、持ち家だと簡単にはいかないかもしれない。

なので住宅取得も取得時に全資産(借入調達力を含む)を全振りせず、ライフサイクルを「線」で捉えて考えてみましょう。

「お隣の迷惑を気にせずに、思いっきり子供を遊ばせたい」という理由で、住宅を取得するならば、最初は家を傷つけられても広い心を保てるような安価な仕様にして、子供が成長してから、住んで気付いた改善点も踏まえ改築してみるのもありです。

そちらの方が納得いくような住宅になるかと思います。
取得時の住宅ローンと改築時の住宅ローンを合わせることは可能です。
マイホームをライフサイクルともに成長させるのです。

保険とライフサイクル

住宅ローンを組む際に団体信用生命保険への加入が義務付けられているのはご存知ですか?
この通称「だんしん」と呼ばれる保険は、とても有難いのです。
保険料は利息に含まれるので負担感ゼロの保険です。

保険内容は死亡や高度障害時に住宅ローン残高が無くなる保険ですが、現在ではガンと告知された場合や生活習慣病で一定程度の条件を満たした場合でも保険が適用される商品が一般的です。

商品によっては手術時などの短期保障、長期入院に対する月々返済額の保障。更には「配偶者がガンと告知された場合、100万円支払います」という充実ぶりなんです。

サイフサイクルにおいて住宅取得は大きなイベントなので、家族構成の変化や成長が伴ってのことかと思います。
団体信用生命保険の加入をきっかけに、現在加入している保険を見直すというのも、ライフプラン上、重要だと思いますので参考にして下さい。

本当に大切なこと

先ほど住宅ローンは時間軸をコントロールできると説明しました。
しかし時間軸をコントロールするには手数料が発生します。
「金利」というやつです。
仮に住宅ローン4,000万円を35年で借入するとして、最終的に5,000万円を支払うことになるとします。
その場合の利息支払いは1,000万円となります。

果たして1,000万円は高いのか?

前回、「物価」や「給料」、「景気」という言葉を使用して、「インフレ」の説明をしました。

30歳の時に土地・建物を4,000万円で取得して、30年後、土地・建物の価値が5,000万円になっていた。
もし30歳の時に貯めた4,000万円の預金を持ち続け、30年後に住宅を買おうとしても1,000万円足さないと取得できません。
これは「お金を使わないことのリスク」です。

住宅ローンを4,000万円で借入して、最終的に5,000万円支払いました。
預金の場合も住宅ローンの場合も支払金額5,000万円は同じです。

いいえ、同じではありません。

決定的な違いがあります。

ここまで読み進めたアナタには分かるはずです。

その答えはアナタの心の中にあります。

<終わり>

*これまでの回はこちら


この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?