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高校野球と人権【読書感想】#理不尽な世界の人間達(その1)<丸刈りと人権>

「丸刈りと人権」について〈丸刈りのトリセツ〉

第1章の「丸刈りと人権」という題目に興味が湧きこの著書を手にとる。
なぜなら最近、身近でこんな事象が起きたからである。

地元の高校では強豪の部類に入る野球部の話。
早い段階で脱坊主を取り入れた先駆的な私学校であったが、部員の1人が学校の頭髪検査で指摘された罰として「丸刈り」にされてしまう。

監督は選手を集合させ「チャラチャラした髪はけしからん」と厳重注意したところ、翌日、大半の選手がその「意趣返し」で丸刈りで登校した。

監督は「丸刈り」を示唆したかもしれないが強制はしてない。
しかし「丸刈り」が皆無だった野球部が一斉に丸刈りになると学校側も何事かと騒つくのも事実。
パワハラに敏感な今の時代、この様な事が起きると学校で問題になる事くらい選手も知っている。
彼らは「自主的に」と口を揃えるが、その行為が逆に「言わさられてる感」を匂わせる。

だから「意趣返し」なのだ。
パワハラ に対しての布石を打ち牽制機能を働かせたのである。

彼らは監督への「服従の証」である「丸刈り」を逆手に取り、「無言の脅し」として利用した。
現在における「丸刈り」のトリセツを理解し賢い使い方を知っている。
著書の言葉を拝借すると「強制による人権侵害」を「自己決定権」の行使により封殺した興味深い事例である。

<その2に続く>

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