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女一人でインドのローカルバスに乗ってみた。

この記事は、私がインドでローカルバスに乗った時のお話しです。

インドのローカルバスに乗るのは難易度が高めといわれている。バス停はどこだかわからないし、バスには英語表記が全く無く、(英語表記がある地域もあるらしい) たくさんローカルバスが走っているためどのバスに乗ればいいのかかなり分かりづらい。しかし、好奇心旺盛な私は挑戦した。そこで挙句の果て絶望した私。そして私を救ってくれたインドの人たちのお話。



インドの乗り物は最悪


インドの乗り物といえば、トゥクトゥクが有名だ。ネットで検索してみると、騙されたり、ぼったくられたり、変なところへ連れていかれたりと、危険な情報ばかりだ。

ではローカルのバスはどうだろうか。
汚かったり、人がぎゅうぎゅうに乗っていたり。どれも良くない情報が流れていた。特にローカルバスは乗り方、行き方がわかりにくい。はあ。なんでまともなインドの情報ってないんだろう。

初めてのローカルバス。


私が初めてローカルバスに乗ったのはハリドワールからリシケシュまでのバス。デリーからハリドワールまでは、電車が出ているので快適だ。しかし、ハリドワールの駅を出てからがかなりひどい。人と屋台とバスのクラクションの音、そしてバスの運転手のなんて言っているかわからない大声でごった返している。

あぁ、もう耳をふさぎたくなる!
いったいどのバスに乗ればいいんだ。

実は、このときインド人の友人と一緒にいた。しかしその友人も、どのバスに乗ればいいのかわからなく、あらゆる人に訊いていた。バスには英語表記すらなく、すべてヒンディー語だ。内心、本当にこのバスで合っているのかドキドキだった。しかし無事に到着した。ほっ。、

ハリドワールはリシケシュの少し南に位置する。


2回目のローカルバス。(inエルナクラム)

エルナクラムは南西にある都市だ。
ここには有名な大型のショッピングモールの"ルルモール"がある。ここへ行くにはメトロが楽だと書かれていた。しかもこのメトロはかなりきれい。私も乗ったが日本と変わらぬキレイさだった。


LULUモール。
METRO 時間も正確にくる。

しかし、メトロよりもバスだとかなり安いらしく、バスに乗ってみようと思った。(メトロだと150円くらいで、バスだと30円くらい)

Googleでバス停、行き方を調べて、さぁOKだと確信し翌日は地図に示されているバス停に行った。しかし、そこにはバス停がない。でもなんだか人集りがあるところがある。ここかな?よくわからなかった。しかもたくさんいろんなバスが通る。もう目が回りそうだった。なぜなら表記の文字がここでもすべてヒンディー語だからだ。


エルナクラム。いろんなバスがたくさん通る。

でもどうにかして乗りたい!

私は、何台も目の前を停まっては去っていくバスを何台も見送り、そしたらある時、ある言葉を聴き取れるようになっていた。それは、バスが到着すると、バスのチケット売りの男性がバスの中から停まる場所の名前を早口で言っているんだ。これがまたインドなまりで聞き取りづらいのだが、ルルモールを、

"ルモルモールモー!"

と何度も繰り返し言っている。ん?これはまさにルルモール!?と思い、よくわからないまま飛び乗った。バスにもルルモールっぽいヒンディー語が書かれている。 そのバスはとってもかわいく装飾されていて、乗っている人もみんなキレイに着飾っていた。フロントにはルルモールと書かれている。よかった!合っていた!

ここの場面、YouTubeにアップしてみました↓


ルルモール行のバス。かわいい♡

安心をよそに、降りるところはどこ?

肝心なのは、降りる場所。なんだかよくわからないが、色んなところで停まるから不安になってきた。その時、チケット売りのおじさんが、どこ行くの?と訊き、ルルモールと伝えたら、降りるときに教えてあげるね。と言ってくれた。なんて優しいんだ!インド人てこんなに親切だったんだ。と思った。

そして無事にバス停ではない道路真っ只中のところで、ルルモール行きの人は平然と降りていたw
これがインドらしくて大好きだ。


ルルモール入り口の前なのに、バス停がない。道のど真ん中。


3回目のローカルバス。(最高だった)

エルナクラムの観光を終えると、次の行き先はチェライ。バスで1時間半くらいかかるところだ。Uberを使えば楽だし、確かに目的地に着くことができるが、値段が2千円くらいする。バスで行けば50円くらい。衝撃でしょ?これはバスで行かなければ!

その日の朝、もう一度チェライ行きのバスを調べてみたが、結局わからず終い。周りのインド人に訊いても確かではないという人が多かった。たぶんこれじゃないかとか、ここからのバスはないとか、みんなあらゆることを言っていた。でも、訊くとみんな親切に答えてくれた。わからないと、隣りにいる見ず知らずのインド人にまで訊いてくれる。本当に親切だ。でもどのバスに乗ればいいのかわからない。

これはUberを使うしか手がないのか。こんなに行きにくい場所を次の目的地に選んでしまったのか。もうマジで挫けそうだった。半泣き状態で時間だけが過ぎていく。そんなとき、トゥクトゥクのおじさんと目があった。

そのトゥクトゥクのおじさんは、もう一人のおじさんと仲良くお話している。私はそのおじさんの目線をなんとなく感じていたが、騙されたら嫌だと思い、目線をそらしていた。トゥクトゥクは、特にぼったくりの被害がかなり多い。変なところに連れて行かれたりボッタクられる話はよく聞く。でもその時、なんだかそのおじさんの目が優しく見えた。なんとなく直感だ。訊いてみようと思った。

おじさんは行き方をちゃんと知っているようだった。ここからはチェライ行きのバスは出ていない。都市部へ行かないとないと言った。都市部まではトゥクトゥクに乗るといいと言った。勧誘か?と思ったが、なんだかそんな様子でもない。値段もまともな値段を言っていた。もう行くしかないと決断し、トゥクトゥクに乗ることになった。本当にインドってわかりにくい!

15分くらい走ったかな?トゥクトゥクのおじさんが、急にキョロキョロ辺りを見回した。なんだろう??
道がわからなくなっちゃったのかな?
どこか行こうとしてる?

少し不安になってきた。そうしたら、急にトゥクトゥクから降りてどこかへ行ってしまった。と思ったら、なんとバスの運転手さんに何かを訊いているではないか。そしておじさんが戻ってきて言った。

「あのバスならチェライに行くよ。」

そのバスにはまだ運転手さんは乗っていなかったが、女性が一人乗っていた。「彼女に伝えたから、降りるところに来たら教えてもらうといい。」と言った。

私は驚いた。その後、トゥクトゥクから私の重たいスーツケースを取り出し、バスに乗っけてくれた。そのおじさんはトゥクトゥク代を受け取るだけで、何も言わず帰っていった。まるでこの親切が当たり前かのように。

もっと、ちゃんとお礼が言いたかった。


ドキドキわくわくの1時間半。


バスに乗って私は安心した。
バスに乗っていた女性は、運転手が戻ってくるとすぐに私の状況を話してくれた。そして、チケット売りの男性も、「チェライね!着いたら教えるから!」と言ってくれた。なんだこの素晴らしいインド人の連携プレーは!もう私のハートは胸いっぱいに溢れた!!まさか、こんなに救われるとは思ってもいなかった。トゥクトゥクで騙される?なんてことだ!私はむしろ運賃以上のことをしてもらった。感動で胸が熱くなった。

1時間半ほど乗るバスでも激安の30ルピー。約50円。


バスが出発すると、まるでパラダイス。


少しバスが走ったあと、陽気なインド音楽が流れた。私はなんだか歓迎されているような気持ちになった。インドのバスには窓がない分、風を切って気持ちがいい。フロントにはインドの神様のイラストと、マリーゴールドの美しい生花が飾ってある。汚いバス?なんてことだ!正反対ではないか!むしろ日本より美しすぎる!生花を飾るバスが日本にあるだろうか!

左 :チケット売る人。右: 運転手さん。

YouTubeにショート動画だけ載せている。


本当に嬉しかった。

その後、私は無事にチェライに着いた。
しかし奇跡的なことはまだ続いた。そこのバス停から私がその日泊まるホームステイ先は、1キロメートル先。背中には7キロ以上の荷物を背負い、片手にはキャリーバッグ。しかも炎天下。お金を節約したい私は、それでも歩いていこうと思った。そして歩き出した。暑い、しかし暑い。。。

そんな中、後ろからバイクが来て止まった。そして私に言った。

「どこまでいくの?乗せていってあげるよ。」

素晴らしいインド人の連携はまだ続いていた。

本当に心温まるストーリーになった。
続きの話は、#やさしさに救われて の下記の記事で、ほかのストーリーと共に少しだけ書いてある。何度も書きたくなるほど、本当に幸せなインド旅ができた。

長い記事を読んでくれてどうもありがとう。
インドは危ないだけじゃないって伝わったかな?
インドは日本の9倍もの面積がある国だし、しかも人口は世界一。だから、行く地域によって治安は異なる。その中でも出会う人って人それぞれ。
私は今回、南インドのコーチ(コーチン、コチとも呼ばれる)のお話しをメインにした。
特に、チェライはインドではかなり穏やかな方だと思う。人も親切な人が多かった。


私を助けてくれたすべてのインド人に、
本当に感謝でいっぱいだ。

あなたも今ある命を大切に、
最高の旅をしよう✩

ここまで読んでくれて、本当にありがとう!

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