『ウルトラマン』戦闘音楽の話(雑)

久々のウルトラマン話題ですけどいつものごとく知ってることしか知らないので適当です。

前置きとしては、あ、引用くださってたのに今更気がついた!ですw

面白く拝見したんですけど、僕はちょっと感覚が違うので、そのあたりをダラっとまとめておこうかと
先方の考察を否定する意味合いはありません(念のため)


「戦い」の意味合い

どういう音楽なのかは上記の記事とか、そこに引用される僕の過去記事なんかをご参照

ひとつ前提で言うと、第一回録音段階での「ウルトラマンのテーマ」としては、主題歌や歌曲類のメロディを使ったバリエーションしか、その対象たる存在はなかったんだろうなぁと言う所
ギャンゴ戦で使われた「進めウルトラマン 」のあっかるいアレンジ曲とかは用意されていたけどそれ以外が見当たらない、みたいなw

で、問題の「戦い」は、そのあたりの不足を補う追加録音だった訳ですけど、曲の系統的にはヒーロー寄りの音楽と言うよりは、事件、危機、そんな状況を描くのに適した音楽のように思います。
あくまで「戦い」であって「ウルトラマン 」では無かった、とすれば色々納得するんですよね

そもそもこの曲って、B3AとかB3Bとかの発展系だと思いますし
これどんな曲かと言うと、初期の怪獣出現や猛威と言ったシーンで効果的に使われたやつです
CD収録タイトルは知りませんがw『シン・ウルトラマン』に習えば「大爆発五秒前 ラゴンの襲撃」がB3Aです。これのスローがB3B

余談ですが、『シン・ウルトラマン』での曲名は、キングレコードが発売した「ウルトラマン総音楽集」での収録タイトルをそのまま採用しています
このアルバムはウルトラマン をエピソードごとに区切ってトラック分け収録しているので、曲タイトルには「サブタイトル」に「そのエピソードでの使用シーン」に準じたものが採用されています
なのでB3Aが「大爆発五秒前 ラゴンの襲撃」になっていて、M5が「遊星から来た兄弟 勝利」になってる訳です
あくまでそのエピソードの使用箇所でつけられてた訳なので、僕はこれをそのまま曲タイトルと確定するのは避けていますw

話戻すと、『ウルトラマン』のこのMナンバーで言うところの「B」ナンバー、他に何があるかと言うと、ベムラー出現で流れるB1(キングレコード での収録タイトルは「レッドキング襲撃」)とか、バルタンの巨大化で印象的なB2(キングレコード での収録タイトルは「危機」)の2曲です
並べるとわかりますが、このBナンバーの群れは、危機的音楽を集めたグループと見て取れますね

で、「戦い」に関してはB3の後半部分メロディを発展させた形で戦闘用音楽にした、みたいな感じじゃ無いですか
これ、今見返して書いてないので言い切れませんが、初期ウルトラマンの戦闘って、大体カラータイマー使ってのサスペンスが付随してて、いやそれは基本的にそうなんだけど、初期は特にその点を周知させる意味でも割とねっちりやってるように思います。第一話なんかは当然そうですよね。
石坂浩二のナレーションに、イデの実況も追加してw
そこで延々流れてる「戦い」の後半部は、曲調ちょいテンポ上がったような、ストリングスが煽ってくるような「タイムアップを表現する意味合い」があるようにも聞こえてきて面白いですよね
これはラゴンなんかでも顕著じゃ無いかなと思います
初期は特にウルトラマン の描写もまだまだこれからって感じなので、ぶっちゃけハラハラドキドキ具合って後年見返すよりは大きかったんじゃ無いかと思ったりします

なので、初期戦闘には「戦い」最適なんですよ

これ、ジラース戦からその性質が変化してますけど、その辺りを経て第二クール入る頃には、そういう初期の特性がエピソードの作りからも薄れて、まぁウルトラマンのマスクも新造されますしw次の段階へと移行していたと思います。
第二回録音が追加されて、そちらが主流になっていくのは当然の流れだったのではと思います。

まぁ、それでも第一回録音引退しすぎだとは思いますがw
かと言って当時はそれが最適だとして完成してるんだから、まぁそうなんだろう

後期戦闘テーマM5

第二回録音のM5「勝利」が、第18話以降の主要戦闘テーマである、と言うのは上記記事とかで書かれてますのでご参照
あ、自分のも貼るか

この曲がウルトラマン戦闘テーマの筆頭、と言うのは当然なんですが、あくまでこれ「優勢時の戦闘テーマ」だと思ってます
ある程度の劣勢は表現できますけど

ここで見るべきは、この第二回録音のMナンバーで言うところのMグループですね
あ、ややこしいですけどw
『ウルトラマン」の音楽ナンバーって、全部M+数字じゃなくて、アルファベットを順に振っていて、それによってタイプ別にグループ分けもしてるっぽいのですね多分
で、この戦闘テーマがM5
他のこのMグループを見ると、ほぼほぼ全部アクション用ってのが理解できると思います
並べると

M1 ミイラ人間追跡とか
M2 バルタン二代目との戦闘
M3 アボラス対バニラとか
M4 対ケロニア戦 T2が劇中使用で、T1とかBとかは未使用らしい
M5 有名なやつ
M6 モニターに映るバルタン二代目
M7 最終話の円盤軍飛来が印象的
M8 同上

これね、順番に聴いてみてください
めっちゃ燃えますから
で、まとめて聴くとわかりやすいんですが、このグループ基本的にアクション曲前提だと思います
その中でもM5は歌曲メロディということもあって一番勇ましいですが、他の曲もどれもこれもウルトラマンの激闘を彩ったり、大事件を盛り上げてきた楽曲です

個人的に思う訳ですが、これだけ出揃っていたら、多分初期のメインたる「戦い」は入る余地無かった、と

それと面白いのは、これらの楽曲が、ウルトラマンの戦闘にも使えますがそれ以外のシーンでも効果絶大な、優れた作りをしている点ですね
M6とかは初出が上記のとおりだと思うんですけど、以降戦闘面でも使われたと思いますし
まぁ、豊富なんですよ
これらの曲が、ドドンゴ・ペスターの円谷組から早々に使われ始めているので、戦闘面ではもう不自由感じてなかったかもしれませんね

余談・ウルトラシリーズの戦闘音楽

昭和シリーズが出揃っていてから作品に触れた僕みたいな世代だとわすれがちなんですけど、『帰ってきたウルトラマン 』あたりでしっかり確立した感のある「ウルトラマン戦闘テーマ曲演出」というもの

初代の段階ではまだそこまでパターン化されてなくて、むしろバラエティに富んだ曲調で、エピソードと展開に合わせて彩っていたと言えるんじゃ無いかなーと
そこが初代の、どの話切り出して見ても新鮮な感じがする要因の一つかなと思ったりもします
中には音楽を入れないで戦闘シーンを描く、と言うエピソードも多いですが、そこはシーン単位かシークエンス単位で聞けば、大体その効果を感じられるものなので納得出来る安心感

やっぱ『ウルトラマン』って、見事なんですよ

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