SF交響ファンタジーが生まれた1983年と言う年

昨日からの流れで、「ゴジラ-1.0」で同じく採用されたSF交響ファンタジーについて。
上の昨日の記事を見ていただければわかりますが、東宝特撮映画音楽商品化の波は1970年代終盤からスタートして、1983年から84年にかけて一度ピークを迎えます。
コレ、サントラ盤の話だけでまとめていると見逃しがちですが、実は映画上映やら何やらの興業方面でも、ほぼムーブメントは連動しています。
なにせ1979年は、ゴジラ誕生25周年であったので、それを記念する特集上映を東京大阪名古屋で展開(キングコング対ゴジラ、怪獣大戦争キングギドラ対ゴジラ、ゴジラ対メカゴジラの三本立て)したり、特に東京では日劇での日替わり旧作上映なんかが話題になっておりました。伝説級のお祭りですね。子供にゃ参加無理w
当然ながら関連書籍なんかもチラホラと出現していて、この時期からゴジラ新作復活への気運は高まっていったと言われています。

1982年には東宝が創立50周年を迎え、半世紀傑作フェアとしてコレまでの名作をセレクトし日替わり上映と言う企画。コレも東京大阪名古屋ですね。
ここでは怪獣映画からは、ゴジラ、ラドン、モスラの三本立てプログラムもあって、最も客が入ったとか聞きますがそりゃそうだろうと。特撮では他に、日本誕生と日本沈没の二本立てとかもありました。生まれて沈むw

この様な流れで、翌年1983年、春だったか、キングレコードのSF特撮映画音楽全集が発売となる訳です。決してこの商品が唐突に出てきたわけではなく、必然があった訳ですね。そしてヒットします。

そして同年夏には、いよいよゴジラ復活を見据えての旧作セレクト上映「ゴジラ1983」が開催されます。多分、ゴジラフィーバーとしては最高潮だったかと推測されますが、そんな年の夏に誕生し初演されたのが、SF交響ファンタジーです。

宇宙船16号記事

音楽全集は完結していて、特典レコードも登場済みの時期なので、音楽面では次の展開どうなるんだろう、と思われてた頃合いかなと思うので、そんなタイミングで新演奏が聴ける!と言うこのニュースの大きさたるや、新作公開にも匹敵する熱量であったかと。
その作品自体も、昭和東宝特撮(伊福部音楽の)集大成的存在とも言えますが、それが現在でもコンサートでよく演奏される定番曲にまで昇華されるとは多分この時あまり考えられてなかったんじゃないでしょうか(^^;
まぁこの時代の熱量が産んだ歴史的存在なのは間違い無いですね。

なので、まぁ、使ったのならクレジットは欲しかったのですよね(^^;

で、この時の演奏はライブ録音されて、同年とっとと発売されます。

宇宙船17号掲載の広告

コレにより、コンサート行けなかった民衆(俺とか)もこの作品に触れることができ、人生の中でその存在を確保するスペースを作っちゃうわけですw

この広告でサントラ全集の方は他社作品入れての後続があることがわかりますね。あとは、この1983年の夏に「キンゴジはノーカット版が現存しないんだって!」と言うことが全国区のファンに広まったのだけど「音だけはあるよ」でドラマレコードが決定していたりの、そんな時期でしたね。

このSF交響ファンタジー収録盤のジャケ写を引用しようかと検索したら、この盤がまず1986年にCDで発売され、その後でレコードが発売されたと解説しているブログにたどり着きましたが、それは誤りです。
そもそもキングレコードは最初からレコード発売込みでコンサート開催してた筈なので、開催後3年も放置はあり得ませんね。

さてそんな1983年は夏を最高潮にして、あとは来年あたりのゴジラ復活くるの?期待しちゃうよ?と言う流れをある程度維持しつつ1984年に入り、年末のゴジラ新作を迎えます。
この流れなので伊福部音楽への期待が如何に高かったか、ですよねー(^^;
多分、こう言うサントラ発売の勢いもゴジラ新作公開あたりが一つのラインになってるかも知れません。

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