見出し画像

水がなければ

翻す赤い尾ひれも
潜った先の小さな岩も
お水がなければ

丸いガラス玉の中いっぴき
わたしは満足していたの
お水があれば

あゝ水の中はキラキラして
キミの顔もキラキラ
お水があれば

キミはなんだか縦に伸びて
通り過ぎるだけになったけれど
見ているだけでよかったの
お水があるうちは

お水があるうちは
生きていられた
キミを見守って
キミがお水を捨ててしまうまでは
もうさようならなんだね

お水があったときは
幸せだったな、
キミといられたから

要らなくなってよかった
キミはガラス玉にいる必要も
お水も要らないから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?