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故郷の味と私の感動禄

これだけは絶対に記録に残さなければならない。
そう思って食事中にも関わらず私は、
noteを開き、出筆をする。

私には故郷が多く存在するが、
その中でも栃木県は思い出深いのである。
幼稚園年長から小6になるまで過ごした地。


らっきょうの味を忘れるほど遠い昔になっていた。

幼い頃、よくたまり漬屋に行き、試食をよく食べていた。
その中でもニンニクのような白い形のものを食べていた。

そんなことを思い出したのは
ホテルで料理を食べたからだ。
栃木名物がお出迎えするブュッフェ。
故意に選んだ訳ではなく。たまたま行ったら
名物が沢山あり見に覚えあるものばかりであった。

でも、味は覚えていない。
10年前、まだ私が弄れていない時期に食べたものだ。
栃木から引っ越した後の
人生は故郷の味を忘れるほど
目まぐるしいものであった。

らっきょう

らっきょうと文字を見た時。私はあれ、
これ食べられたっけ…?。
と思った。

とりあえず栃木名物全て楽しむ。
そんな思いから、自分の直感を頼りに食べ物を選んでいく。


湯葉

それから湯葉を見た。
湯葉の味だけは忘れることはなかった。
社会科見学の時、日光湯葉を人生で初めて試食した。

少しお醤油をつけて、
一瞬だった。
無機質な味がたまらなく美味しい。
あの時の感動だけは忘れなかった。
湯葉を食べたいと日光から静岡へ引っ越してきても思ったので買ってみると
なんだか、あの時の湯葉の味とは違うのである。

もしかしたら今回、
私が食べたあの味をもう一度食べられるのではないか。

そんな期待すら湧いていた。

いざ実食。


らっきょうを食べてみる。 
あれ、甘い、美味しい…
これ…よく試食で私が好んで食べてたもの!

その時、幼い頃の記憶が蘇った。
母や父に連れられてたな。
たまり漬屋のおばちゃん好きだったな。

思い出せるものがある自分にも泣きそうになり、あぁ。私にかつて居た場所に愛着を持つ心がまだあったのだと思った。

湯葉を食べてみると、
あ…これ昔食べた湯葉と同じ味!
なんだか、ものすごく嬉しい。
感動のあまり、嬉し涙が出そうになる。

懐かしめるものがあると私は自然と笑顔になっていた。

 栃木県は引越しが多かった私にとって
1番長く過ごした場所である。
両親にとってはなんともない場所かもしれない。
でも私にとっては大好きで、
幼い記憶を思い出せる唯一無二の場所だ。

日光の辺りまで行くと私は心が落ち着く。

それがきっと故郷ということなのだろう。
たとえ、そこに親戚がいなくても、
私を覚えている人がいなくても。

私にとって特別であるならば、
それが故郷なのだ。



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