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2023年買って良かったモノ10選(後編)

後編行きます。
特に読まなくてもいい前編はこちら

6, SUPACAZ SUPER STICKY KUSH GALAXY

今まで散々使ってきたバーテープなのに、なぜ今更?という話だが、今年はこのバーテープの良さを再認識できたので改めて評価したいと思います。

我ながら巻くのは結構上手いと思う。

エートス購入時、オシャレな某バーテープを採用。
デザインは良いのだが濡れると滑る、巻きにくいのがどうにも難点。

我慢出来ずに半年程で慣れ親しんだスパカズへ。
ここで、圧倒的なグリップとダイレクト感の良さに気付く。
何より想定外だったのが、大きなギャップに対する突上げが劇的に改善されたこと。

ハンドル周りが軽量なフレーム、もしくはタイヤ由来と思っていたので、バーテープを疑うことなど考えもしなかった。
これまでもなんとなく使っていたが、今後はスパカズ一筋で行きたいと思わせてくれた。

白は汚れる。諦めが肝要。

ちなみに、昨年大阪東京間620kmを2日で走った時も使用していたが、さすがに無理があったらしい。握力が数日戻らず、ペットボトルを開けることも出来なくなった。
300kmオーバーの際は過信せずにブルベ界隈の知恵を頼ろう。

7,TNi Litefly カーボンサドル

タグ取れば160gだったかもしれない。

普段使っていたのはスペシャのPower Pro with Mirror。
S-WORKSグレードと違い、チタンレールの採用でコストを低減し、3Dプリントの恩恵を手頃に味わえる逸品。
だったのだが最近ディスコンしてエスワだけになったらしい。

しかし如何せん重い。
3Dプリントの宿命ではあるが、公称値245gは重量を感じる。何より精神衛生上宜しくない。

Power Pro with Mirror
場所によってフォームの固さが違う

そこで決戦用にセレクトしたのが、皆大好きTNiからLitefly。攻めたブランド&パーツを手広く扱うことに定評のある、トライスポーツが誇るオリジナルブランドだ。
中華は避けたいけど安くて軽いのが欲しい、そんな我儘を叶えてくれるトライスポーツはやっぱり日本一。

安い、軽い、Amazonで買える

実測重量は161g。各社フラッグシップモデルや100gを切るフルカーボンサドルと比較すると、目を見張るものがある訳ではない。
しかし、実勢価格1万円アンダーである。素晴らしいコストパフォーマンスだ。

艶やかなカーボンの光沢

当初は決戦用機材として、レース後はパワーサドルに戻すつもりでいたが、座り心地も悪くないので結局常用している。パッドは薄めだが必要十分。200kmくらいなら痛みとも無縁だ。

サドルは相性なので、他人のインプレが参考にならない機材筆頭だが、値段と重量という数字上では優秀と言える。

8,MAXXIS HIGH ROAD SL CL 25C

25Cで170g。最強。

ほとんど白黒なのも高得点

TPUチューブと組み合わせると210gを下回る軽量性。クリンチャー仕様では最軽量に近い。

ちなみに、知る限り最も軽いのはヴェロフレックス レコード。25Cで150gと恐ろしいまでの軽さだが、耐パンクベルトを廃したノーガード仕様である。
飛び道具として選択するのはアリだが、レース中にパンクしたら情緒が壊れて泣き崩れる自信があるので除外した。
なおヴェロフレックスの取り扱いはトライスポーツである。ほんと最高だよあんたのとこ。

軽いね

耐パンクベルトを備えつつ170gというと、近年爆発的な支持を得つつあるAGILESTシリーズのLightモデルも該当する。昔で言うGillarだ。
AGILESTを選択しなかった理由は2つ。紫系統のロゴを入れたくなかった&ユーザーが多いから。アホですね。

そんな訳で、オフロードでは抜群の知名度を誇りながら、オンロード界隈ではとんと名前を聞かないマキシスからハイロードSLクリンチャーをチョイス。
レース会場でも本当に被らない。日本で展開して採算取れているのか心配になるレベル。

トレッドは潔いオールスリック仕様。
コンパウンドは比較的乾いた印象で、ベタベタはしない。
どちらかと言えばケーシングの靭やかさを頼りにグリップしていく感覚。
ある程度のグリップ力と高い転がり性能を両立していると思う。

ネガはやはり耐久性。ケブラーの耐パンクベルトがあるとは言え、サイドカットには太刀打ち出来ないと推測される。
ギリギリ常用ラインであるとは思うが、決戦用タイヤとして最低限の使用に留めるのが無難だろう。

修行

なお、現在練習用に使用しているのはVittoria zaffiro pro 30c。カタログ値385gの紛う事なき重石であるが、購入価格は脅威の2,600円。
耐久性の懸念も無い以上、トレーニングの一環としてこの重みを受け入れる。再びハイロードSLを装着する時を楽しみにしている。

9,カインズホーム ストレッチフィルム

個人的には革命だと思っている。
当然だが自転車関連での用途だ。

138円

ストレッチフィルム万能説はかねてから聞き及んでいたが、ラップと何が違うんだ程度に思い、深堀りをしていなかった。たまたま店頭で見かけ、ものは試しと購入したところ、これが大ヒットであった。

自分の用途は主に3つ。まずはこの2つだ。
・タイヤの長期保管
・チューブの保護

ミイラにされるHIGHROAD SLくん

言うまでもないことだが、タイヤやチューブは(基本的には)ゴム製品である。長期保管する際は、密封してしまうことで多少なりとも劣化を抑制できる。

決戦用タイヤや予備チューブはこのフィルムでグルグル巻いてしまおう。ラップと違いテンションをかける事ができ、コンパクトで綺麗に、解れ難く仕上がる。
レース直前、高価な決戦用タイヤがボロボロな事に気付く、なんてリスクは減らしたいものだ。

TPU(熱可塑性ポリウレタン)チューブはゴムではないが、サドルバッグやツールケース内における保護の観点から、同様簀巻きにしている。

テンションをかける為、ローラーの回らない使い切りタイプを選ぼう

そしてもう1つの用途。
・ローラー車の汗対策
である。

自分は多汗症患者だ。
自慢ではないが、自分より汗をかく人間を見たことがない。運動や食事はもちろん、暖房の効いた屋内、不安や緊張といったメンタルの乱れで、常軌を逸した量の汗をかく。画面越しに辛い食べ物を見るのもアウト。

夏場は大変だねと言われるが、真に辛いのは冬である。
外食で刺激物を接種してかいた汗が、暖房のせいで永遠に引かないのだ。
ここで言う刺激物とは、スパイス、山葵、ミント系タブレットなどの辛い物の他、うどんや白米といった温かい食事も指す。
この駄文はタリーズでホットコーヒーを啜りながら認めているが、その額と首筋には汗が滲んでいる。

そんな人間が屋内でローラートレーニングをすると、足元には池が生み出される。
額にねじり鉢巻きを締め、フレームにタオルをかけ、20畳用サーキュレーターを浴びたところで、自転車へは大量の水分が降り注ぐ。
そこで、ボルトやベアリング保護、バーテープの交換頻度を抑える為、各所へストレッチフィルムを巻き付けている。

もう少し綺麗に巻く努力をして欲しい

ラップと異なり、テンションをかけて巻ける点がやはり秀逸。圧倒的に剥がれにくい。剥がれたとて1ロール138円である。ガンガン巻き直せ。

欲を言えば、もう少し厚手にして欲しい。密封性と剥がれにくさ、耐久性が向上するはずだ。
これらの用途が想定されているとは思えない以上、望むべくもないが。

10,サンボルト セパレートワンピース


Lサイズしか無かった

自転車用ウェアのスタンダードはビブショーツ+ジャージである。この上下を一体成型した、言わば【つなぎ】がワンピースタイプだ。
レースではすっかり一般化しているが、ゆるポタとズイフトが主戦場の自分にとっては無縁の存在であった。
しかし、今ではこれしか考えられない。2023年の全レースで着用して出走した。

大阪の試乗会イベントに出展していたサンボルトのブースで、破格の50%OFFで投げ売りされていたのを発見。10,000円程だった気がする。ものは試しと購入。
未だにどのモデルなのか分からないが、ベースグレードの型落ち品だったのだろうか。

着用してまず気付くのは、ビブでは避けられない肩への負荷が激減されていること。肩紐が無い為、突っ張られる感覚が皆無。とにかく自然で楽。
ずり上がるジャージの裾を引っ張る、あの動作も無くなる。別に面倒じゃないし、と思っていたが予想以上に快適なものであった。
ウェアを着ている、という感覚が希薄で、身体の動きに抵抗なく追従してくれる。

富士ヒル。見せられない右手をしている訳では無い。
膝は死んだ。

また、上下セットを揃えるより安価に済む点も魅力的だ。
グレードにも依るが、サンボルトヤフー店では半袖セパワンが定価22,000円から購入できる。
ブランドによっては、この値段ではビブショーツ1枚買うことも出来ないだろう。

欠点はやはり、お洒落ではないことだろう。
スマートな北欧系ウェアや、新進気鋭のデザイナーや元プロが手掛けた機能的で洒落たブランドが続々と進出している。
Raphaに始まったサイクルウェアのハイブランド化、プロダクトも当然良く、なによりSNSでの見栄えが良いのだから心情は理解できる。

しかしそんなものはセパワンの快適性の前では偏に風の前の塵に同じ。俺の食指は動かない。ラインナップしていなければ話にならない。
決して高くて買えないからと言って僻んでいる訳でも開き直っている訳でもない。PNSとかフォローしてない。

干す時は裏返して、伸びないよう腰位置で吊っている

また、ガチ勢に見られるのが嫌という声も聞く。
個人的には、自分はゆるポタやグルメライドをガチる為の快適さを得ているのだという心持ちでいる。
そもそも人目など気にするものではない。
一般人から見たら皆等しく全身タイツの不審者。普通の上下ジャージとセパワンを見分け、ガチ勢か否かを判断している時点でそいつは同じ穴の狢だ。


以上、2023年に買って良かったプロダクト10選でした。
最後に来年欲しいモノを列挙します。
・一体型ハンドル(roval,black inc,bontrager,darimo,etc.)
・ガーミン 540 solar
・オークリー エンコーダーストライク
・グロータック equal 機械式ディスクブレーキ
・シマノ ST-R9250
・45mmハイトのディスクブレーキホイール
・ゲル K3 フルカーボンサドル

話は変わりますが、本稿の公開日はクリスマスです。
宜しくお願いします。

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