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会社を辞めた瞬間、10年分の疲れが抜けた。

横田 浩子

「会社を辞めた瞬間、10年分の疲れが抜けた。でも同時に、底なし沼に落ちた気分にもなった」

大手企業の看板を外す。それは安定を手放すこと。 収入ゼロ、将来への不安、周囲の目...全てが現実になった。

会議室で退職の意思を伝えた時、上司の目に映った失望。

「君には期待していたのに」

その言葉が頭から離れない。

電車で帰宅する間、「本当にこれでよかったのか」と何度も自問自答。

それでも、長年感じていた違和感は消えない。
毎朝、重たい体を引きずって出社する日々。

「これが、あと30年続くのか」その想像が、心を締め付けた。

退職後の不安は大きい。

貯金はどれくらいもつ？次の仕事は見つかる？

でも、深呼吸すると不思議と心が落ち着く。

今の自分には、今までなかった自由がある。
その自由に期待と不安が入り混じる。

「挫折」か「再出発」か。

退職後の不安は大きかった。でも、意外な展開が待っていた。

今、Web広告運用の仕事で毎日を楽しんでいる。
自分のペースで働き、成果を出す。
この充実感は、以前には想像もできなかった。

「挫折」だと思っていたのは、「再出発」だった。



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