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配達依存症 「デス・ストランディング」

 大学生の頃、無限に時間があった俺はただひたすらに配達をしていた。ただそれは現実にではなく、あくまで「デススト」の中だけではあるが。
 シナリオ自体はだいぶ前にクリアしていて、あとやることといえば登場キャラクターの好感度をすべてMAXにすることだったので、俺は西へ東へ、北へ南へ、雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、雪ニモ負ケズ、BTニモ負ケズ、重い荷物を背負って、ただひたすらにノーマンリーダスを酷使していた。
 もうこれ以上にないくらい、リーダスことサムに荷物を運ばせていたが、全ての好感度をMAXにした時、俺はふと何かえも言われぬ虚無感に陥った。

 そして気づいたらデスストのディスクを取り出して、代わりに「アニマトリックス」のDVDを入れていた。

 あんなに配達に依存していた俺だったがそれが全くの嘘みたいにさっぱりとデスストを止めてしまっていた。
 「飽きた」という感覚とは違う。「やり終えた」でもない。
 強いて言えば、「配達依存症」が突然として治ってしまったということなのだろうか。
 ふとシラフに戻った俺は知らないうちにコントローラをてから離して、「アニマトリックス」さえ見終えると、俺は久々に外の世界でて、そこから数ヶ月はドライブにハマっていた気がする。

 時はたちPS5の時代。俺はディレクターズカット版へアップグレードしたことをきっかけに「デススト」を再開した。
 そして配達依存症が再発したのだった。もうこうなっては際限がない。せめて治療のために、全く断ってしまうのではなく、摂取する量を減らす、すなわち一日一配達にすることで症状を軽くしようと試みている。そしてそれは今の所うまくいっている。
 
 しかし今回は何か様子がおかしい。

 きっかけは一枚の看板だ。1回目の時にはついぞやらなかった看板の設置を今回のプレイではそれを気まぐれでやり、その後建てた看板に対しての、他プレイヤーからいいねをもらったことだった

 一日一配達にしたせいか、すでに一回目的を達成したせいか根本原因はきっかけとは別にしてはっきりわからない。
 だが今度のプレイではより多くの「いいね」を求めるようになった。
 
 より多くの建物を建て、至る所に看板を建て、自分が使うわけじゃないけれどあったらいいなと思うところに梯子をかけたり。
 
 どうやら「いいね依存症」にもかかってしまったらしい。

 ゲーム内ドキュメントでも言及はあるが、いいねをもらうと頭の中にとあるホルモンが分泌される。それはドーパミンとかオキシトシンとはまた違ったものらしい。
 ドーパミンとオキシトシンにとにかく飢えていた時期もあったなあと思いつつ、ただその時は「いいね」をもらおうはあまり思わなかったのだった。

 ゲームにログインした時、あるいはそのほかの様々なタイミングで「いいねされました」という表示が出ると何かこう、満たされていくものを感じることができる。そしてそれは配達を終えた時のような達成感とはちょっと違う感覚だった。
 そしてこれは大変に気分が良いものだ。だから「いいね」をより多くもらうためにやれることをどんどんやっているというプレイスタイルとなっている。

 2回目のゲームクリアは1回目の時より時間がなかなかかかりそうだ。ただ確実になにか癒やされていると感じているので案外悪い気はしていない。

↑こんなのも

 もちろんデスストだけじゃなくって、これを読んでくれた人からの「いいね」も待ってます👍👍👍

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