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新高校生・新大学生へ 青春を手に入れるために知っておくべき競技かるたの魅力

新生活が不安な君たちへ

 まずは僭越ながら言わせてほしい。卒業おめでとう、そして栄えある入学がすばらしいものになりますように。
 しかし、新生活を迎えるにあたって不安なことも多いのではないだろうか。これまで培ってきた対人関係がある程度リセットされ、新しい人に囲まれることは誰だって怖いものだ。
 一方で、野望とでもいうべき夢を見ている人もいるのではないだろうか。光り輝く学校生活、薔薇色のキャンパスライフなどとよばれる青春という宝物を手に入れることを。
 では、一体どうすれば青春を手にできるのか。入学し大人しく自分の机で待っていれば光り輝くものがやってくると思うか。当然ながらそんなことはない。皆がそれぞれの選択をし、勝ち取っていくものである。
 そこで、私がおすすめしたいのは「競技かるた」である。

競技かるたの魅力

 なぜ、競技かるたなのか。競技かるたとはなんぞや。という方が大半だろう。ひとまず競技かるたの利点について挙げていきたい。
 1つ目は「男女混合」であることだ。もちろん、男女混合である部活動、サークルは他にも山ほどある。しかし、スポーツの形で混合なものは思ったよりも少ないはずだ。中学校、高校で見てきたモテ男は野球やサッカーなどのメジャースポーツや勉強で頑張っていた人ではなかっただろうか(もちろん、ここでは顔がいいやつは省く)。ただ、考えてみてほしい。野球やサッカーは男しかいない。もちろんマネージャーはいるが数が足りていない。つまり、運動部に彼女持ちが多かったのは、運動部である以上にさまざまな場面で起こる男女の接点を逃さず頑張っていたからだ。そこに目を向けるのは辛いが事実だ。事実と認めた上で取るべき対策とすれば、男女混合の活動に参加することである。我々は自分から異性に向かっていく勇気はない。ただ、場として男女がいるのならば幾分かは勝率がある。故に、男女混合であることは大きなメリットだ。
 2つ目は「運動」であることだ。先にも述べた通りスポーツ男子はモテやすい。しかし、今回の狙いそういったモテ方ではなく、運動した異性と接することができる点だ。運動後に異性と接することで恋に落ちやすい、という話は有名である。同時に、共に成し遂げたことも絆を深めるために有効である。競技かるたは多くの場合1対1の競技である。しかも、超至近距離というおまけがついている。競技の後は対戦相手と話すこともできるため、自然と絆を深める状況を作りやすい。こういった面で男女混合のスポーツの利点を見ることができる。
 3つ目は「マイナー」であることだ。あなたは今、競技かるたについてどれほどの知識があるだろうか。男女混合らしい、スポーツを名乗っているらしいといったことは学べたが、まだ全く様子を想像できていない人も多いだろう。「ちはやふる」という漫画が流行り、アニメ化並び映画化されたのでそういったメディアで知っている人も増えてはきた。ただ、それもしばらく落ち着き、今後は徐々にしぼんでいくのを感じる。つまり、マイナースポーツが少し脚光を浴びたが、ピークは過ぎている。このマイナーさがむしろ今、1番の推しポイントである。ここで、考えてみてほしい。あなたは今からサッカーを始めて周りから一目置かれるほど上手になれるだろうか。きっと無理だろうと思ってしまうのが普通だ。しかし、マイナースポーツはステップアップが容易だ。競技は基本、相対的なものさしで測られている。野球で言えば甲子園に出場する人はすごいが、その下には十数万人もの高校球児がいる。しかし、競技かるたでは高校生の競技人口は一万人もいないだろう。その中で上を目指していくことになる。当然、順位は上がりやすい。頑張るほど上が見えてくるはずだ。
 これら3つの利点から、中学校・高校共に運動をしたことなくとも、マイナーさと青春を手に入れたいモチベーションの高さで周りから一目置かれるほどの選手に成長できるチャンスがあるのだ。

競技かるたとはどんなものなのか

 ここまで競技かるたの特徴の中でも、薄い部分だけをピックアップしてきた。ここからは、もっと競技かるたの紹介をしていこうと思う。

これは、競技かるたの元締め的存在である全日本かるた協会のyoutubeチャンネルだ。ここで、最高峰の戦いが見ることができる。勘違いしてはいけないのが、ここまで頑張る必要は、青春にはない。ただ、意外と大変そうなことがわかっていただきたい。
 まず、競技かるたは百人一首の札を使う。神社などにたまにある和歌を描いた大きな絵馬を想像してもらっても構わない。しかし、意地の悪いことに競技かるたは、選手たちが使う札には文字しかない挙句に百人一首(五七五七七)の下句(七七)しか見せてくれない。これが1つ初心者を寄せ付けない大いなる欠陥なのかもしれない。競技かるたができてもお正月に家族と遊ぶことはできないのだ。まずは百人一首を覚えなければならない。しかし、安心してほしい。全てを覚える必要はなくテクニックがたくさんある。なので、大いに先人を頼ることができるだろう。
 では、百人一首を覚えた。さっそくやるぞ、と思った矢先に次の苦難がある。youtubeを見てみると畳の上でやっている、しかも変な姿勢で、着物で。現代社会へのアンチテーゼなのだろう。まあ、平安貴族がやっていたことが起源だから仕方ないのかもしれない。着物に関しては安心してほしい。多くの一般的な競技者はジャージを使用している。将棋の大事な大会が着物で行うのと同じことである。問題は、畳の上で変な姿勢をしていることだ。チェスのように机の上で優雅にやりたい。この姿勢を真似してみると大変だ。正座をした状態から少し前に片手を突き、中腰になる。これを行ったり来たりする。なかなか、体に悪そうな動きだ。しかし、そういった日常生活からすれば異常な姿勢から激しく、素早くかるたの札を取ることは一定のカタルシスがある。アドレナリンとドーパミンに慣れていない方々は病みつきになってしまうかもしれない。なおかつ、目の前には同じように頑張っているのに取れずに悔しがる人もいる。実は、このような不便なシステムはよく考えられた競技者を虜にするための罠なのである。はやく、あなたもかかってみてはいかがだろうか。

本当に青春ありますか

 ここまで読んでしまった方々はこう思ったのではないだろうか。
「え、意外と頑張らないといけないんですね」
 
もちろん、頑張っていただきたい。輝かしい青春が簡単に手に入ってしまったら青春コンプレックスなどという言葉は生まれなかっただろう。今回伝えたかったのは、これまで頑張ってこれなかった人が、青春を取りこぼさないようにする選択肢としての提案だ。
 どんなことでもいい。なにかに打ち込んで楽しめたらそこに青春は存在する。帰り道のハンバーガーチェーン店のメニューをすべて制覇したり、全校生徒の名前を意味もなく覚えてみたり、生物部でひたすらに粘菌の動きを観察したり、楽しめたのならばそれは青春である。かけがえのないものだ。
 ただ、頑張るならば結果が出やすい競技かるたはいかがだろうか。実力に応じた大会があり、うまくいけば家の中が賞状だらけになる。ついでに、なんかいい感じの人ができる。そんな夢を手に入れてみないか。
 でも、1つだけ注意がある。再三言う通り、上を目指してみる覚悟は必要なのだ。邪な願望しかない人は態度でバレてしまう。やるならば、一生懸命にやろう。そんな人におすすめだ。
 やってみたい、頑張れるかもしれない、賞状欲しいと思ったら進学先に競技かるた(または百人一首)の活動がないか調べてみよう。なかったら住んでいる場所のかるた会を調べてみよう。大人との出会いが待っている。
 頑張る君は必ず、歓迎される。


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