半笑いのポッキーゲーム

「ねぇ、佐藤さん今日の夜二人でカラオケ行きません?
最近飲みにも連れてってくんないじゃないすか〜。ね?」

「ま、まぁ、そうだな。うん。」

とても純真な、ピュアな、綺麗な目でコイツは言って
来やがる。俺は、愚かで醜い。身勝手だと思う。
「でも、、、うん。」出かかった言葉を押し戻す。

金曜の夜。所謂、華金ってやつ。ま、もう古いかな。
遠いだろうにわざわざ俺の家の最寄り駅近くのカラオケに合わせてくれた。んな気使わなくたって良いのによ。良いやつだよ。ホントにさ。何と無く生ビール頼んで、枝豆とポテチも...…。 
「あっ...…ポッキー有るんだ...…」
何故だが口が反応してしまった。
「ポッキー好きなんすか?なら頼んどきますね!」
「あ、いやそういうんじゃ」
たが、訂正する間もなく注文され、速攻で届いた。
バスケットに入ったポテチと枝豆とポッキー。
なんだがポッキーだけ浮いた感じがする。
「な、なんかポッキーゲームとかする...…か?」

「いやいや(笑)誰が男二人、
密室でポッキーゲームするんすか(笑)
佐藤さんとしないっすよ(笑)」

「そうだよな!すまんすまん!セクハラってやつになるよな!すまん。」


俺は、お前だからやりたかったんだけどな。ごめん。

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