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【詩】空(くう)を満たす

わたしの隣にあなたがいた
あなたの隣にわたしがいた

伸ばした手は空を掴み

わたしの目は虚空に彷徨う
わたしの声は行き先を失う
わたしの耳は風を拾う
わたしの肌は乾いてしまう

指の記憶は薄れつつ

心は
あなたへの問いかけで
満たされる

揺るぎない住処を
わたしの心に得て

あなたは笑って
言うのだろうか

いてもいなくても
いるんだよ、と




この詩が生まれた経緯とは、
関係ありませんが…。
ビクトル・エリセ監督の「瞳をとじて」
を観ました。

喪失と再生の物語

そのように感じました。

抑制された映像から
押さえられない愛、渇望
も溢れていました。

取り戻したいもの
取り戻せないもの

見終わった後から
静かに
静かに
沁みてくる映画です。

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