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人生最大の危機に陥った話7

それからまた暫く経って
心療内科の診察日

この日は朝から調子が悪く
クリニックの駐車場に着いた途端
どうにもならない程の過呼吸発作に襲われた
意識が朦朧とし筋硬直を起こして
体が痺れ全く動けなくなった

付き添ってくれた娘が受付に走ってくれたが
あまりに酷い発作ぶりにお手上げとなり
あろうことか救急車を呼ばれてしまった

クリニックから総合病院へ
発作を起こしてから一時間が経過した頃に
やっと呼吸が落ち着いてきた

それでも体の硬直が解けずに
救急センターのベッドで動けずにいると
妹が母を連れて様子を見に来てくれた

その時、明らかな母の異変に気が付いた

世話好きな母は今までなら娘が救急車で
運ばれたなどと聞けば率先して
寒くはないか?喉は渇いていないか?と
動き回ってくれたものだった

それが今日の母の様子はどうだろう
人形のように無表情に私のベッド横に立ち
ぼーっと無言で私を見下ろしている
こちらの問いかけには普通に答えるし会話は
成立するが認知症が始まっていると感じた

気のせいであってほしい…
そう信じたかったが素人判断は出来ない

後日、本人に「診てもらってなんともなければ
安心だからちょっと診察を受けてみない?」
と提案したところ
「ボケてなんかおらんわ!馬鹿にするなっ💢」
と、すごい勢いで怒鳴り返された
気の強い母のいつものテンションだった

それでも認知症なら出来るだけ早めに
対処した方がいい
母は過去に心臓弁膜症の手術をしており
経過観察の為定期的に循環器科に通っていた
その診察日に内科にも予約を入れておいた

この日は私も付き添って行く事を決心しており
なんとか出掛ける事が出来た

病院に着いたらなるべく人目を避けて座り
母の名が呼ばれるのを待とうと思っていた

なのに。。。
病院に着いた途端、総合病院の広い空間と
見知らぬ人達が行き交う状況に
不安を覚えた脳が最悪の反応を示した

また過呼吸からの筋硬直を起こし
母が呼ばれるより先に私が処置室に
運び込まれてしまったのだ💧

この時も母は呼吸苦にもがく私を
他人事のように平然と黙って見下ろしていた
通りかかった清掃員のおじさんが私の様子に驚いて看護師さんを呼んでくれたのだった

過呼吸は時間が経てば治まるし
どんなに苦しくても死ぬことはないのだが
発作の状態が派手なので知らない人は
驚いてしまうようだ

清掃員さん驚かせてごめんなさい
そして看護師さん他、助けてくださった
皆さんありがとうございました
 
母はといえば循環器科の診察は慣れたもので
予約時間になると自分でさっさと行って
診察を終えてきた

この時は大病院の待ち時間が長いことが幸いして
処置室でゆっくり休ませてもらったお陰で
内科の診察には付き添うことが出来た

しかしそこでの母の言動に私は愕然とした

▶人生最大の危機に陥った話8 に続く


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