今日みたツイート 読み、意味とは

 価値観を揺さぶられるツイートを見つけた。何かを見てあれこれ意味を見出したり考察するといった行為について考えさせられる。

 元のツイートはタコピーの原罪というジャンプ+で話題の漫画への反応について書かれたもの。根拠が浅い、過剰な深読みが広まることを危惧している。確かにyoutubeなどでも誇張されたサムネイルで、真偽不明の都市伝説やアニメなどの大雑把な説を唱える動画が伸びる傾向はあると思う。

>壁のシミを指さして「ここにも顔が描かれてる……ヤバすぎ……」みたいな、点と点を無理矢理繋いで見えないものを見ようとしている

 問題はこの部分。何かを見てあれこれ考察したりするのが好きな自分のこれまでの価値観を根底から揺さぶられ不安定になってしまった。作品のテーマは、キャラクターの気持ちは、こうじゃないかな~などと考えたりする、そういった営みで得た気づきは幻だったのだろうか?全てこじつけに過ぎなかったのか。意味とはなんなのか。顔……全ての意味は人が勝手に作り出したものならば、壁のシミによる顔の模様と人の顔に違いなどないのではないか。両者とも偶然そこに配置されているだけではないか。

 と、危うく虚無主義に飲み込まれそうになったがこれは結局のところフェイクニュースの問題と同じなのだと思う。フェイクニュースも考察も物事を読むという面では変わりはないが、道具が使い方によって良い悪いどちらの方向にも転がるように、読むという行為自体が悪いわけではない。読んだことやフィクションがまるで真実であるかのように装ったり、偏見による誹謗中傷に繋がる読みが良くないのだ。ツイ主さんにも別に読むという行為を全否定するつもりはないだろうが勝手に焦ってしまった。

 ルールを守って読めば、読むという行為はむしろこういったルール違反について反省を促す効果を発揮してくれるだろう。こう考えておけばとりあえず安心だ。


追記
安心だと言いつつ上記の昨日の文で少し気になったことがあり補足する。といっても結論はルール違反はやめようで変わりはないが。

>読んだことやフィクションがまるで真実であるかのように装ったり
こういったルール違反が読みとは別の次元の行為かのように書いてしまったが、これもまた読みである。ならばテキストは自由な読みに開かれているなどと言うときは注意が必要だ。下手をすれば嘘や捏造の言い訳にされかねない。

嘘を事実だと、偽を真だと。善悪。美醜。
真善美は森羅万象についてまわる読みであり、その物を強く決定する。最も射程が広く本質的で決定的な影響力をもつ属性である。
事実か嘘か。この判断は私達の現実世界そのものだ。その事実とされたものに対して善悪の判断に基づく世界のルール、法律が適応される。美醜の判断によって自分の世界感が作られる。世界の根幹に関わる重要な読みなのだ。
だから扱いには慎重にならなければならないし、これらについての読みを曲げることは重いルール違反となる。
冒頭のツイートは雑な読みが独り歩きをして事実として捏造されてしまう、そんな情報の洪水に押し流されて私達の現実を見失ってしまう不安を感じ取ったものではないだろうか。
「これこれこれという根拠にもとづき、こうです。(と、読みました)」
どんなに確からしい読みでも()の部分が常についてまわることを忘れないようにしたい。

 

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