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いいねと言ってもらいたかった趣味の話(2024.8/9の日記)

 アルバイトの日。昨日自転車をアルバイト先に置いて帰ったので、昼頃に電車でアルバイト先に向かった。暑い。着いた瞬間汗が噴き出た。

 改めて日傘すごい。日傘面白い。雨傘と違って、前身が傘の下に入っている必要がないのが面白い。日傘は日光に対して垂直に構える必要があって、影の大きさが最大になるように都度注意する必要がある。建物の影を見ながら、道を曲がるたびに傘の向きを変えるのにゲーム性を感じる。コツは傘の影が綺麗な六角形になるように構えることだ。楽しい。

 いつも通り後輩と駄弁っていたら、後輩と趣味が合わないことが分かった。趣味が合わないこと自体はどうでもよくて、私はそういうもんだな~と思っているのだが、後輩は受け入れがたい趣味があると言われた。二次元についての話だ。

 お互いにショックを受けた。後輩にとってのショックは「意中の人の趣味がソシャゲだったらどうしよう」だった。私は「アニメやゲームを好きな人にこれほど嫌悪感を抱く人がいるんだ」だった。ものすごく拒絶された感じだ。

 後輩はゲームやアニメの趣味を受け入れられない感覚があって、それは家庭環境の影響もあるらしく、くり返し「生産性の無い趣味だと思います」と言っていた。そうか~。生産性しか考えられないのは寂しい人だな~と思った。思ったけど言わなかった。どんな抗議もオタクの惨めな戯れ言になりそうだった。「そういう趣味の人を拒絶するのは良くないって分かっているつもりです」「拒絶する自分に嫌だなと思ってますよ」と言われた。もう拒絶してるじゃんと思った。嫌悪感がにじみ出ている。

 私はゲームやアニメや漫画が好きで、生産性云々抜きで好きだし、後出しだけど何かの役に立っている部分はあると思う。そういうのを気にしないで好きになれることがあるのが趣味だと思うし、いいじゃん、人が別に何を好きだってさ……と思う。後輩の言う生産性は、意味がすごく限られているんじゃないかと思った。尋ねればよかったかな。

 ショックだったのはここまで拒絶される趣味だと思っていなかったという点だ。後輩が特別そうだと言われたらそうなのかもしれないけど(後輩はずっと類は友を呼ぶって言っていた)、にしても強い拒絶だった。フォローの言葉まで頭が回らなかったみたいで、ずっとうっすら嫌なんだろうなというのだけ分かっていた。そっちの方がきつい。

 「後輩の意中の相手がそういう趣味だったら」という議題で話したから、多分ずっと後輩にとっては自分事の話だったのだと思う。いざ交際するときに容認できるか、という自分の気持ちの話。だから私がどうとか気にしていなかったかもしれない。私が「私の推し見せようか?」とおずおずスマホを出しかけたら「やめときます」と言われた。言われた後に「でも今から馴しといたらいいのかもしれない」とぼそっと言っていた。私はそういう対象か~と思った。

 後輩は「アクティブで文化的な趣味の人がいい、キャンプとか読書とかDIYとか旅行とか映画とか」と言った。「馬鹿な人は絶対に嫌です」と言った。それじゃあまるでゲームやアニメが好きな人が馬鹿だと言っているみたいじゃないか、と思った。思ったけど言わなかった。言い合いたくなかったというのもあるけれど、分かってもらえなそうで諦めたというのもある。私が傷つきたくなかったというのもある。

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