見出し画像

夏は歪にいこうの話(2024.2/3の日記)

 テスト週間まっただ中の休日。目覚ましをかけずに寝たのはいつぶりだっただろうか。レポート課題もテスト勉強も落ち着いているので、めちゃめちゃに読書する一日にした。してやったぞ!

 一冊目はずっと前に直木賞を取った小説。好きな芸人さんのコントにこれをオマージュしたものがあり、元ネタを知りたい!と思って買った。
 コントは理不尽な主従関係の面白さがあるのだが、この小説はもっと暴力的で、痛いよ、もうやめときなよ、と思う描写がたくさんあった。登場人物たちの行動の原理が分からない。

 小説には映画スターの格好良い俳優と、スタントばかりやる大部屋俳優である弟子、みたいな二人が出てくる。それから格好良い俳優との子どもができた女優が出てくる。この三角関係が歪で歪で…。「あなたらが幸せならそれでいいけど、それがあなたらにとっての幸せなの?」と終始思っていた。
 コントはだいぶ柔らかく面白くオマージュしていたんだな~と思った。この三人はどうなりたいのだろうか。これからどうなるのだろうかというゾクゾク感があった。

 もう一冊読み終わったのは、芥川賞を取った小説。これまで食わず嫌いしていたけど、あらすじを読んで好きそう!となったので買った。こっちも「あなたらが幸せなら…」と思う話だった。

 高校のクラスの余り者二人の話。二人の言動が身に覚えがあるものばかりでヒリヒリした。小説は無意識に自分の経験から情景を想像しながら読んでいる。学校が舞台のこの小説は、私の通った小中高校の校舎のキメラを浮かべながら読んだ。だからか、余計に自分の過去と重なってヒリヒリを加速させながら読んだ。余り者の経験もそれを『友達を選んでいる』と言う感覚も、身に覚えがありすぎる。

 読んでいる途中は自分と重ねてひいひい言って気づかなかったが、この二人の関係、夏という舞台、もしや私の好きな「夏の歪な二人系小説」では?と思った。

 「夏の歪な二人系小説」とは、一夏の思い出を誰かと過ごしたことで、劇的な青春が出来上がっているような話のことだ。私が勝手にそう呼んでジャンル付けしているだけだ。こういう話が大好きだ。全くハッピーエンドでなくても、本人らがそれでいいならいいし、なんなら周りを置いていってほしい。疾走感もドロドロ感もある。青春を濃くするのが夏だと思う。完全持論です。

↓以前読んだ「夏の歪な二人系小説」

 そう考えると一冊目に呼んだ小説も夏の暑い日の出会いで人生が変わっていくし、登場人物は二人だけではないけど、それに近い関係を見出せる気がする。ボコボコになっても相手を慕う気持ちや、それを受けてまた別の人をボコボコにする姿が、「あなたらが幸せなら…」を堅くしている気がする。いいぞ、もっっとやれ。

 三冊目も読みかけて眠くなったので寝た。今度は当分先になるかもしれない。「夏の歪な二人」が出てこないかな~と思いながら読んでいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?