見出し画像

黙々と食べるラーメンの話(6/10の日記)

一日課題もせずに本を読みきってなんとなく過ごした。
写真は夜、先輩に誘われて食べに行ったラーメン。結局誰かと一緒にいる。

この日読み終わった本はページ数の少ない文庫本で、本を読んだ達成感が欲しくて読み進めた。高校生の時、除籍図書になって学生が持って帰れるようになった本の中からゲットしたので、少なくとも3年前から積ん読だ。

本の内容は実際の事件がもう少し物語的に書かれたもので、「日本人はいかなるものか」というのが作者の示したテーマらしい。事件の背景や時代や、価値観そのものが今の私に考えられるものと大きく違う。ページが少ないからと読み始めたが、内容はかなり考えさせられるもので結構時間をかけて読むことになった。残忍な事件。日本人は何なんだろうと読み終わって漠然と考えたけど、それらしい答えは少しも浮かばなかった。罪の意識や良心の呵責はどこにあるのだろうと思う。この本を読まなければその事件があったことを知らないまま生きていただろうと考えると、高校生の時この本を持って帰ると決めて良かったと思う。きっかけがあって過去に遡るような話の構成も面白かった。

読み終わって、ほーう……となって、しばらくして出かける準備をした。先輩数人とラーメンを食べに行くためだ。結局他人と行動する。他人と食事をするのが嫌なくせに断れない。断って嫌われたくないと思っているから。前日の後輩の家での出来事はあれだけ否定したのに、そんなふうに考えているのだから調子のいいやつだと思う。なんというかはた迷惑。利用されたように感じて後輩のことをぼろぼろに書いたけど、醜いのは私だけ。知っている。

案の定緊張して上手く会話に乗れず、付き合いとしてもう何度も一緒に食事をしているのに黙ってひたすら麺をすすることになった。先輩からスープ飲む?と言われる。ありがとうございます、と言って器を受け取る。先輩も良かったら、と言って先輩の真似をして器を交換する。他人の使ったレンゲ。ラーメンは太くておいしかったけど、どうやって食べるかに集中しすぎて余り覚えていない。またゆっくり一人で食べたいかも。

食べ始めは最後だったけど一番最初に食べ終わった。先輩たちが何を話していたか覚えていない。食べ終わってようやく相づちを打つ余裕ができた。私のターン。こんなことを考えているのが気持ち悪いんだよな、と考えながらいっぱい頷いていたら、また大人数のイベントに参加する雰囲気になっていた。「断りきれない」と言うとなんとなく人が良いイメージだが、私のは単に嫌われたくない思いの現れだ。もう根本を絶たないとずっと自分で自分の首を絞め続けることになりそうだ。困った。「困った」とか言うのも本当はずるい。全部自分のせいなのだから。

どっかで断るのを覚えよう、と考えてもう20年生きてきた。

ラーメンの後にはカラオケにも行った。密室に先輩と。私はオンチ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?