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よく知らないまま遠くにいた話(5/17の日記)

学校帰り、コンビニに寄って初めて爽を買って食べた。なんで今まで食べたことが無かったのかよく分からない。プリンみたいな味がして、ただバニラアイスというよりシャリシャリしていて、すごくおいしかった。今年の夏はたくさん食べる気がするよ。

それから好きな作家が書いた文章が載るというSFのアンソロジーを予約した。「SFです!」と言っている本に苦手意識があったのだけど、よく考えてみれば私の大好きなショートショートのあの本たちはみんなSFだと後から考えた。アルファベットのSとFに抵抗感があったのかもしれない。
この本は短編だから、私にも面白く読めたらいいなと思う。それで「SもFもなんだ怖がること無かったじゃん」と思いたい。予約して本を買うのが初めてなのでちょっとだけ心が躍っている。すぐに届かないのがこの気持ちを大きくする。これが「推し作家ができる」ということなのですね。嬉しい。

最近読んでいる本の話をしよう。
賞をとるほど有名なホラー小説で、題名だけよく知っていたのだけど、これまた「ホラーだから」とビビって触れずにきた本がある。個人的に題名の語に耳馴染みがあり、いつか読もうと買ったはいいものの、なかなか一歩が出ずに積んでいた本だった。近頃は布団に入って眠くなるまで少しずつ読み進めている。これがものすごく、こわい。

賞をとったのも、実は短編だったのも、おばけの怖さより人の怖さが強いのも実際に読んでみるまで知らなかったことだ。怖いと分かっていても読み進めるのが止まらない面白さがある。
人の欲や嫉妬や集団にいる自分の立場を気にする癖など、いやあな気持ちが詰まっている。そのじわじわ迫る嫌さが、幽霊や呪いが本当にあるのではないかとさらに焦らせてくるのだ。

こんな読み方をしたら寝られないのではと心配していたが、一日の終わり、布団の中で読めば次第に眠くなるのでちょうどよい睡眠導入となっている。
そのかわり悪夢を見る日も増えたのであまりオススメはできないかもしれない。今朝もカビや謎の植物の繁殖が進んだ私の部屋を泣きながら掃除する夢で目が覚めた。なんで?

これまで本は一冊ずつ読み終わるまでそれしか読まない、というスタンスでやってきた。単に一つの話に集中できるし、あまり記憶力の良い方ではないからちょうどよかった。

最近いくつかの本を読み掛けても頭の中で話が混ざっていないことに気がつき、私の読書スピードは好転した。学校なんかの隙間時間に文庫で短編を読み、部屋の中、風呂の中など時間と場所が許されるときには単行本や長編ミステリーが読めている。読むジャンルの幅が広くなっている気がする。これは良い調子だ。私の言葉の数も比例して増えているに違いない。

学や教養のある大人、という私の目標に着々と近づいている気がする。博識なお姉さんになりたい。近所の、何をして生計を立てているか分からないけどいつもいて、それで質問したら何でも答えてくれるか、一緒になって考えてくれるお姉さんになりたい。
なりたいッ……!!!!!!

いつも通りじゃいられない。言い訳をして自分からチャンスを遠ざけてはいられない。自分から近づかなければ、博識でミステリアスなお姉さんにはなれないのだ。

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