普通の出産とはなんだろうか
幼い頃から比較的身体が丈夫で、入院や手術とは無縁だった。
それがここにきてダブルで経験することになるとは・・・。
全く予期していなかった逆子。体勢が戻ることなく帝王切開での出産が確定した。
妊娠が発覚した当初から出産方法は無痛分娩と決めていた。麻酔が24時間体制でできる自宅から少し離れた病院を分娩先として予約。バースプランなるものを考えていた矢先、妊婦健診のたびに逆子が治らないということが続き、私のプランは雲行きが怪しくなってきた。
予定日から1ヶ月ほど前、外回転術で逆子を治せるか診察も受けた。
成功確率は約30%。ただし心音が下がったりなんらか出血したら、そのまま緊急帝王切開で出産となると告げられる。それはつまり、来週には子供が生まれる可能性を指していた。そう言われるとまだ心の準備はできていない。それならば、最後に奇跡の自然治癒を信じることにした。
そして、奇跡は起こらなかったので今に至る。
帝王切開は手術なので、あれこれ書いたバースプランは白紙となった。当たり前に「普通」の出産ができると思っていたので正直ショックだった。無痛分娩というすごい技術を使って、赤ちゃんが生まれるシーンを見届け、私の出産はこうだったよと語ることになんだかんだあこがれていたのだ。
ただまぁ冷静に考えると、普通の出産とはなんぞやという話でもあって。漫画コウノドリを読んでいても、予測できないことが起こるのが出産なのね、と固唾を飲んでいたじゃないか。何より赤ちゃんが無事に生まれてくるのであればそれ以上のことはない。逆子だったのは、何か意味があったのかもしれないね。頑なに体位を変えないあたり、強い意志を持った子供なのだろう。
唯一のバースプランとして、手術中好きなCDを流すことができる(あと剥がれた胎盤を見れるらしい)。何を流すか迷ったが、思い入れもある藤井風さんのアルバムにした。しかしCDで音楽を聴くこともないし、レンタルや売っているお店も少なくなっている。最寄りのTSUTAYAもレンタルサービスが完全に撤収していて、慌ててメルカリで購入。ここにきてなんだか時代の流れを感じた。
マタニティライフがいよいよ終わる。
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