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過去最大のストレス

コソだニャー。動物病院で院長に何かあったかって?そりゃーこのことが過去最大のストレスと言える事件だったと思う。「○○吉飼い主窃盗事件」。あれはもう4年前になるのか、、、、、、、、、

全国的に先例がなかったわけではないが、地域の防犯や子供たちの通学の安全を見守るため、犬の散歩をする飼い主さんがその役をしようという運動が院長の住む自治体で始まった。「パトロール犬」という名で警察、行政のバックアップのもとマスコミにも取り上げられる話題だった。その中心的存在だった犬が○○吉という犬で、全国放送でも取り上げれれるようになった。
その飼い主が院長の病院の近くに引っ越してきて患者として通うようになったのがこの事件の始まりであった。

最悪のスタッフ

院長の病院にはとても優秀な長く勤めてくれている二名のスタッフがいる。今では二人ともそれぞれ三人の子供を育てながら15年20年と務めてくれている。院長の自慢の一つでもある。動物病院スタッフの平均勤続年数は3~4年といわれる中で異例の長さである。院長、副院長、スタッフ二名の4人で町の小さな動物病院を運営してきた。
4年前スタッフ一名が産休に入ることになり、どうしてももう一人スタッフの補充が必要になった。そこでそのころ患者として通っていた○○吉飼い主が働きたいということを言ってたのでスタッフとして迎え入れたのだ。院長はパトロール犬のことを知っていたので、○○吉飼い主のことはいい人だと思っていたようだ。
ところが、産休に入るスタッフが仕事をしばらく仕事を教えて主に受付を任せるようになり、スタッフが産休に入り受付業務を一人でやるようになったとたん毎日のようにレジからお金を盗むようになっていたのだ。
防犯パトロールを率先して警察と活動しているような人間がまさか窃盗をするなんて院長はじめほかのスタッフもこれっぽっちも疑いの目をむけることはなかった。しかもそいつは逮捕後の裁判で明らかになったが、窃盗の前歴があった。つまり盗みの常習犯だったのだ。
匠にレジ操作やカルテ不記載、会計改ざんなど盗みの証拠を隠蔽しながら発覚するまでに10か月間、数百万円の売り上げを盗んでいたのだ。
院長は最近売り上げが落ちていることは気づいていて気にかけていた。それを「うちの病院最近売り上げ落ちて院長悩んでいるのよ」と平然と病院の外で話しする最悪な人間であった。ほぼ毎日レジから盗んでいたのだから売り上げが落ちるに決まっている。それを平然と、、、、、、、、、。結局悪いことはばれるもので、ある日ついに証拠をつかんだ院長は犯人を問い詰めた。しかし平気でうそをついて逃れようとしたので、許せない気持ちが大きくなり、警察に通報し逮捕されることになった。
裁判では懲役1年半と執行猶予三年の判決だった。

お金を取り戻せ

院長と副院長(院長夫人)はこの事件で相当なストレスを受けたようだ。特に副院長は誰しも認める誠実でいい人なのだ。信頼していたスタッフ、しかも防犯活動をしていた本人が窃盗を繰り返していたなんて副院長の人生の中で出会ったことの悪人だったのだ。
犯人は逮捕されたが、そこから盗まれたお金を取り戻すのは簡単ではなかった。過去10か月分のカルテ、レジペーパー、会計資料、カード会社資料など、すべてを突き合わせていく作業と防犯カメラに記録されていた犯行の様子のチェックなど、毎晩動物病院業務の後、何時間もそれに費やさなければならなかった。どうして何も悪くない善良な被害者がこんな苦労をしないといけないのか情けなくなりそれは大きなストレスとして感じられたようだ。犯行のほとんどはほとんどは暴けてようだが、何の記録も残さずお金だけ抜き取っているケースもいくつかあり全額が解明できたかは不明であるが、数か月かかって被害額は算定された。それを今度は民事裁判で取り戻さなければならないという苦労も追加された。はっきり言ってこのころの院長と副院長は体力的にも精神的にもかなり疲労がたまっていたと思う。その後数年はこの事件ことが尾を引いて病院内には暗い雰囲気が流れていた。このことが院長の癌とどう関係するのかは俺にはわからないが、院長のストレスは相当なものだったと思う。最終的には被害のほぼ全額は取り戻せたようであるが。

寓話

院長がこのころ事件の忘備録として、一つの寓話を残している。ここに載せておくので、事件のことが気になるようなら一読してほしい。


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