男と女、 オスとメス、 ジェンダーについて語ることはいくらでもできるが それはさておき、 人間という同じ種類の生き物だけれど、 役割が違う生き物だからこそ、 お互いに足りないところを補い合おうよ、と 「つがい」になるのではなかろうか。 例えば、工具箱に入っているネジの種類とドライバーの豊富さ。 「これは家のちょっとしたメンテナンスに欠かせないんだよ」と、DIYなぞさほど興味がないはずの夫でもホームセンターで工具売り場で時間を費やす。 へえ、女だと見過ごしち
夫がよく呟く。 「いつまでもお嬢様感覚が抜けないな、おまえは」 と。 …そう言われてもなあ。 わたしの「普通」は 18年×365日×24時間、 つまり 15万7,685時間、 946万800分、 オギャーと産まれてから高校を卒業するまでの 生きてきたその経験から作られてきてるわけで。 意識と無意識、覚えていることも覚えていないことも すべてがわたしという人格の構成要素なの。 それをさ、 全部捨ててオレの946万800分に合わせろよ。 なんて言われても
「価値観の違い」が原因だと 離婚会見をしているタレントが言っているのを 聞いたことは何度もある。 ああ、芸能人って大変なのね。って、お茶の間のわたしは他人事としか思わない。 そうだなあ、 うまくいってる(であろう)芸能人夫婦って 三浦友和と百恵ちゃん、 榊原郁恵ちゃんと渡辺徹ぐらいしか思い浮かばない。 おしどり夫婦、ベストカップルだと言われていたって、 実情はワイドショーのリポーターだって知らないだろう。 家族やママ友、同級生にもバツイチやシングルマザーが珍しくな
ある日、夫に言われた。 「おまえとは価値観が違うから、もう無理だ」 と。 付き合い始めて、何年経っただろう。 ドライブに出かければ カーステレオからはミスチルとドリカムばかり流れていたあの頃から もう四半世紀。 学生時代にはポケベルとテレカがお出かけの必須アイテムで 就職して、会社から貸与されたのはPHS。 ミレニアムベイビーと呼ばれた初めての我が子は 昨年高校生になった。 3人の子供に恵まれ 夫は小さい会社の部長職。 華やかではないけれど 1杯のかけそばよりはる