2 ドドメ色のマーブル模様
「価値観の違い」が原因だと
離婚会見をしているタレントが言っているのを
聞いたことは何度もある。
ああ、芸能人って大変なのね。って、お茶の間のわたしは他人事としか思わない。
そうだなあ、
うまくいってる(であろう)芸能人夫婦って
三浦友和と百恵ちゃん、
榊原郁恵ちゃんと渡辺徹ぐらいしか思い浮かばない。
おしどり夫婦、ベストカップルだと言われていたって、
実情はワイドショーのリポーターだって知らないだろう。
家族やママ友、同級生にもバツイチやシングルマザーが珍しくないし
逆にシングルでもしっかり子育てをしていてえらいね、なんて言われる時代。
いい時代なんだか、よくわからないけど
とにかく、他人事(ひとごと)だと思ってたの。
だって、私たち、結婚する時、
「私たちの子供達には、親が離婚した時のあのなんとも言えないせつなさを、絶対に味あわせたくないよね」
って、二人で決めたんだもん。
夫も、私も、リコンチルドレン。
自分にとって世界中で一番の味方で
いつだってヒーローでヒロインで、
揺るぎない安定感をくれる存在だった
父と母という存在が
まるで三枚おろしにされて半身になっちゃった魚のように
薄っぺらく感じちゃった
あのなんとも言えない胸がきゅうっと締め付けられる気持ちは
悲しい、寂しい、切ない、どうにもならない、ムカつく、っていう
すべての負の感情がからだの中でぐちゃぐちゃと混ざり合って
へんてこな色のマーブル模様だった。
それが
「離婚届」「家庭裁判所」「弁護士」が出てくるあたりで
黒に近いグレーに、きれいに混ざり合った。
夫から「オレたち、価値観が違うから、もうやっていけない」と告げられた時、そんな記憶がドドーっと蘇ってきた。
あの想いを、また、我が子にさせるんだろうか、私たちは。
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