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80歳夫婦イタリア絵画旅行記 [序文]

【イタリア・あの愛しい人達に】
《  序  文 》
 妻と二人で、50年振りにイタリアへ行って来ました。ツアーでなくフリーでの17日間、ハラハラドキドキの毎日、窮地に陥ることもしばしば、緊張と不安の日々でした。それらの殆どは乗り物や食事や買物や言語、そして50年前と様変わりしていたイタリア社会の実態であって、それらのプレッシャーに対して、万感胸打つ感動で埋め尽くしてくれたのは、あの愛しい人達に再び会えた喜び・感激・震える感動でした。
 日頃何度も見て来た画集よりも、また自分の中に残っていた嘗ての記憶よりも、それらは遥かに高く遥かに域を超えた実物世界のあまりにも感動的な凄さに満たされました。

 京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)の学部4年を経て、日本画専攻科(2年制)の1年目のある合評会の後、川端通二条下るにある居酒屋「赤垣屋」の奥座敷で、専攻科の主任であった尊敬すべき日本画の鬼才・恩師故石本正先生が、西洋やイタリアの絵の話から『君ら行くか??』と問われ、皆んなして一斉に『行きます!!』と反応し、事は始まりました。石本先生曰く『良いものを皆んなに見せたいんや!』と。
 先生は絵に関しては強い意志を持った方で、様々なハードルも目に入らず、臆さず、また目的の為にはなんのプレッシャーをも物ともしない、そしてまた子供のように無垢なところのある人でした。
 これをきっかけに約70日近くのツアーが先生と旅行社によって実現して行きました。この50年前の実現不可能かのような無謀とも思えるような「ヨーロッパ美術の旅」がその後の私の大きな糧となって行きました。

*拙い文を読んで頂きありがとうございました

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