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ダックス 病気のお話

ドッグトレーナのよもやま話#4


・椎間板ヘルニアと進行性脊髄軟化症(PMM)について

こんにちは。

今日は七夕ですね。

さて、今日はダックスが発症しやすい病気についてのお話をしたいと思います。

少し重い話になりますが。

椎間板ヘルニア=ダックスの病気と認識している飼い主さんも多いかと思いますが、中にはこの病気がダックスの遺伝疾患だと思われている方が、少なからずいらっしゃるようです。

誤解のないようにお伝えしますが、椎間板ヘルニアはダックスの遺伝疾患ではありません。

アレス(虹🌈組)の愛車

では、なぜダックスに椎間板ヘルニアが多く発症するのか。
 
ダックスは、軟骨異栄養症と呼ばれる遺伝子を持っています。

この遺伝子は、胴長短足のダックス特有の体型を作り出すのに必要な遺伝子ではあるのですが、それゆえにどこかの場所の椎体に悪影響を及ぼした時、椎間板ヘルニアと言う病気を発症しやすくしてしまいます。

このどこかと言うのは、頸椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎から成り立つ、合計35個の椎体になります。

椎間板ヘルニア=腰、と思っている方も多いと思いますが、前述の35個の椎体のどの部分にも起り得ます。
 
ダックスの椎間板ヘルニアは、普通の生活を送っていても発症する事があります。
 
外的要因により、高い所から落ちたとか、事故にあったとか、飛んだり跳ねたりしなくても、なる時はなる、です。
 
どんなに気を付けていても、血統的な遺伝も関係なく、一定数のダックスにはこの椎間板ヘルニアは避けて通れない部分なのです。

ウチのエマ(カニンヘンダックス)は、軽度(グレード1)の椎間板ヘルニアを発症しました。

彼女は、JAHD(日本動物遺伝病ネットワーク)での検査結果が、股関節・肘関節・膝蓋骨と、全ての関節において、NORMAL、総スコアは90ポイントと、ダックスには珍しいくらい完璧な骨格でした。

運動量もかなりあり、筋肉バリバリ女子(獣医さんいわく)ですが、それでも椎間板ヘルニアを発症して、2ヶ月間クレートレストの生活をよぎなくされました。

アレスが発症した進行性脊髄軟化症においては、過去に椎間板ヘルニアを発症した犬がなりやすい、と書いてある文献も多いですが、アレスに至っては一度も椎間板ヘルニアを発症した事はなく、5才で突然の発症でした。

幸いなことに、掛かりつけ医が骨や関節を得意分野とする獣医師だった事もあり、1%未満の生存率を生き抜いてくれました。(今は虹🌈組さん)

ダックスと言う、愛すべき犬種が作出された経緯によって、こういった避けて通れない病気が発症してしまうのは悲しい事ではありますが、20年近い寿命を全うする子も多く、その中でも一度も椎間板ヘルニアを発症しない子もいます。

ダックスには、進行性網膜萎縮症(PRA)と遺伝疾患もありますが、これはまたの機会に。

初代ダックス、レミエル(虹🌈組)

それでは、また。

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