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世界基準の経営理論-経済学の軸-

「世界には経営理論の教科書が1冊もない」「世界の経営理論を完全網羅してビジネスパーソンに伝える本がこの世にはないのでそれをつくりたい」


以前から経営を勉強したいと思っていた。
経営の勉強=成功企業のノウハウ本,MBA,中小企業診断士の勉強をすればいいのかなと思っていた。
ビジネスパーソンをターゲットにした本書。
初学者にわかりやすい言葉、事例、重要なことを丁寧に何度も表現されている。
既知の分野だと読み飛ばしかねないぐらい、読みやすい。

経営理論は、経済学・心理学・社会学を源流として本書は各視点から解説してある。
このnoteは本書の思考の軸を深く理解するためのメモです。解釈が違う部分もあるかと思いますが、この自粛期間中に読んでみようかなと思うようなきっかけにもなれば幸いです。

経営理論とは何か?
経営理論の定義は曖昧である。経営理論の目的は経営ビジネスのHow,When,Whyに応えるもので、人・組織は本質的にどのように行動するのか?を示した普遍的な原理原則。よくMBAなどで聞くフレームワークは、理論ではない。
経営理論は、ビジネスの課題に対して用いることで、説明することができる。結果、人は納得し、腹落ちし、行動することができる。
経営理論を身につける事で「思考の軸」をつくり、理論から現象を説明することができる。
理論の主な目的は、「何が」(what)を叙述するものだけでなく、「どのように」(How)「いつ」(when)そして「なぜ」(why)に応えられることである。

Howとは?「X→Y」のような因果関係、関係性のこと
Whenとは? 理論が通用する範囲のこと
Whyとは? なぜそうなるのか?なぜこの方針が重要なのか?に応えること

経済学を基盤とする経営理論
古典的な経済学の前提は「人はおおむね合理的に判断する」

SPC理論
名著「マイケルポーターの競争戦略」の基盤となった理論。
【How】
産業の収益性は、需要の伸びだけでは説明ができない。構造的に儲かる業界と儲からない業界がある。自社の競争環境をいかに、完全競争から引き離し、完全独占の方向にシフトさせることで、差別化を図り競合が少ないパイの中で利益を上げることができる。また、プラットフォーマー企業は、ネットワーク効果(みんなが使うから私も買うという心理)で競争環境を独占化している。
【When】
どこまでを自社の競合相手とするか?
不確実性が高い現代においては、持続的な優位性ではなく一時的な優位性。
【Why】
完全独占は、業界に参入する障壁、コスト、規制、制度が高いほど価格を支配する力を持つので儲かる。完全競争は、儲かっている業界(グループ)に企業が障壁なく参入してくる。同じ商品を作り、差別化ができないと価格競争に持ち込まれる。

【SPC理論をベースにしたフレームワーク】
「ファイブフォース」
参入障壁が低い/小さな企業がひしめく競合関係/自社から他社に乗り換えやすさ/サプライヤー・ベンダーを選べない/代替え品において、定量・定性のチェック項目を用いてチェックする
ポイント①産業構造・収益性の現用分析だけでなく将来の予測にも使える
ポイント②複数の階層・レベルで行う

「戦略グループ」
自社と他社を製品セグメント構造を元にグループ化すること

「ジェネリック戦略」
自社が業界内でとっているポジショニングを検討するフレームワーク

RBV リソース・ベースト・ビュー resouce based view
企業内部の経営資源に着目。
【How】
SPCと同様にリソースの独占やリソースの模倣困難性に着目したもの。リソース→競争優位。
【When】理論として不完全・実務の応用難しい
【Why】
SPCは有用だが、それだけだと企業リソースについて十分な注意を払っていない。だから企業の説明力を説明するには不十分。
企業リソース側に着目するのが先。リソースの組み合わせ方によって模倣を困難にする。
関連があるRBV関連のフレームワーク「アクティビティシステム」

組織の経済学3つの理論
「情報の経済学」
情報の非対称性がある。アドバースセレクション
「エージェンシー理論」
情報の非対称性、企業統治組織内外のモラルハザード問題
「取引費用理論」
限定された合理性、ホールドアップ問題、企業の範囲

ゲーム理論
【How】 
「自分がある行動をとったら、自分はどう行動をとるか」「自分がある行動をとったらそれに対して相手はどう行動するか」お互いの意思決定・行動の相互依存関係メカニズムとその帰結を分析する
【When】 寡占市場
【Why】
ベルトランパラドックス

両社とも価格を引き下げ、両社とも利益を失う。十分な差別化・供給を過剰にしないことで避けることができる。

著者おすすめ文献:ミクロ経済学 戦略的アプローチ

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