ガザでみる夢、眠りの温度
いつからこの夢をみているのだろう
うとうとと、まどろみに浮かびながら
-遠くで大きな音がする
わたしと世界のさかいめはあいまいで、ふれることとふれられること、与えることと与えられること、満ちることと欠けること、知ることと忘れることは同じだった
-遠くで大きな音がする
時間がゆるゆる混ざるところ
体温がとけあうところ
想いがはじまるところ
-遠くで大きな音がする
いつもやわらかな光があった
ほほえむと光もふわふわほほえんだ
わたしはすっかりあたたまって、光にくるまって眠った
-遠くで大きな音がする
-音はだんだん近づいて
-すぐそばで何かがはぜる
いやなにおいがただよった
あたりが暗くなっていく
ぼろぼろとくずれる指先
息がくるしい
光はどこだろう
と、空がさけて、真っ赤な雨が滝のようにおちた
鉛色の、ぎらぎらした光が目をつらぬく
わたしをつかむ、知らない手
どこにつれていかれるのだろう
-遠くで大きな音がする
暗がりに横たわる、もう光を失った、わたしのいたところ
ここは、寒い。
"4/21、ガザの空爆で亡くなった妊婦のお腹から帝王切開で女児が誕生"
https://www.bbc.com/japanese/articles/c1038r1pe0vo
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