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日本の新左翼系譜イラストを作りました。

6月のことである。梅雨入り前の蒸し暑い空の下、僕は新宿東宝にいた。告知からずっと楽しみにしておりながら、新型コロナの影響で公開が延期されていた三島由紀夫vs東大全共闘を見るためだ。これは東大全共闘と三島由紀夫の伝説の論戦に識者の解説や当時現場にいた人物へのインタビューを追加したドキュメンタリー映画で、互いを無闇に否定することなく、時折笑いを交えながら行われる高度で知的な論戦に手に汗を握る、実に素晴らしい内容だった。

僕は元々新宗教マニアであり(オウム真理教,法の華三法行,パナウェーブ研究所,ライフスペースなどの事件が子供時代にそのまま当たっている世代なのである)、同じカルトということで極左暴力集団による山岳ベース事件やあさま山荘事件についても調べたことはあったものの、学生運動そのもの...すなわち60年安保や全学連、全共闘運動については真面目に調べたことがないことに気づいた。そこでネットを軽く調べたものの、各新左翼団体の系譜や事件についてまとめられた良い資料が見当たらないことに気づいた。これは僕が作ることでいくばくかの価値をインターネットに追加することができるのではないだろうか...というわけで、日本の新左翼について、主な事件とその系譜をまとめたイラストを作成しました。

このイラストは左端に主な事件を、右側に新左翼の系譜を記載している。あくまで概要なので細かな団体は割愛しているのだが、それでもセクトは数多く、気づけばかなり横に長い図となってしまった。

さて、新左翼や学生運動について、中核派や革マル派、日本赤軍や連合赤軍、全学連、全共闘といった用語があるが、これらの関係について簡単に解説したい。

まず、中核派、革マル派、日本赤軍、連合赤軍といった用語は新左翼の派閥(セクトと呼ばれる)を指している。社会党の青年部が母体となっている組織やアナキストの組織もあるが、多くは日本共産党から分派、あるいは元共産党員が作った団体である。中核派・革マル派はその凄惨な内ゲバ(新左翼同士の抗争,多くの死者を出している)で、赤軍派、日本赤軍、連合赤軍はよど号ハイジャックやテルアビブ空港銃乱射事件といった派手な事件で知られる。

セクトとは別に、全学連や全共闘という言葉を聞くことも多いが、これは単一の派閥ではなく運動体を指す言葉である。全学連は各大学自治会の連合(全日本学生自治会総連合)で、全学連の中に共産党系や中核派系といった各セクトの学生団体が入り込んでいる。また、全共闘というのは各大学で起こった学生運動の運動体を指す言葉で、全学連とは異なりそれぞれの大学について○○全共闘という名前が付き、目的もそれぞれ異なる。特に有名なのは東大全共闘と日大全共闘で、前者は研修医の待遇問題、後者は使途不明金問題から発生したものである。

主な参考文献は「中核vs革マル」「全学連と全共闘」、「新左翼とは何だったのか」である。

また、上記について解説した配信をYoutubeにアップロードしているのでご興味ある方には視聴頂きたい。

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